冒頭の写真から結構インパクトあるのではないでしょうか。
望遠レンズ(写真はSONYの"α1"に"SEL100400GM"とテレコン"SEL14TC"を装着)をポケットに仕舞えてしまう、変わり種な写真撮影用の上着FoXfire(フォックスファイヤー)の"フォトレックライトジャケット"を紹介、レビューしたいと思います。
しばらく使って見て、肝心の巨大ポケットの実用性については若干疑問符が付くところもありますが(笑)、それでもトータルで非常に気に入っていて重宝しています。
Foxfireというブランドについて
あまり詳しくないのですが、Foxfireはアウトドアや釣り用のウェアやグッズを販売している日本のブランドです。
値段は高めですが、縫製や素材等はアウトドア用にしっかりと頑丈に作られていて、また服にユニークな機能が付加されているものが多いのかなという印象を個人的には持っています。
私の場合は、昨年から野鳥など屋外で撮影することが増えたこともあり、その際に防虫素材の"SCORON"(スコーロン)という生地で作られたパーカーやズボン等のウェアを買ったことが、同ブランドを知るきっかけになりました。
そして、販売されているカテゴリの中にフォトギアというものも有り、写真撮影向けのジャケットやベスト等が発売されています。
フォトレックライトジャケットについて
今回紹介するフォトレックライトジャケットは、前述の写真撮影用に作られた製品で、特にポケットの大きさや数の多さを売りにしています。
公式サイトでも、「70-200mmF2.8の望遠レンズが収納可能」、「外ポケット10個、中ポケット2個、内ポケット1個、合計13個のポケット数を誇り、収納力抜群のジャケット」と謳っております。
※13個ポケットがあると謳っていますが、1個は襟元のよくわからない部分をカウントしているようで、私的にはノーカウントです(笑)
また名前に「ライト」と付いているとおり、非常に軽くて薄手のナイロン素材が使われており、春秋に軽く羽織るのに適しています。
ただ、元々は冬用の"フォトレックジャケット"という商品があり、そこから薄手版として派生した商品なのかと思いますが、派生商品が故に後述するポケットの実用性に若干欠けることに繋がっているのかなと思っています。
とはいえ購入時は薄手なのに収納力が凄いという点に惹かれて、定価は2万5千円程度となかなかの値段でしたが、ブランドへの信頼も有ったので購入してみることにしました。
外観やポケット位置の紹介
まずは外観とポケット位置の紹介をしていきたいと思います。
色は黒を購入しました。Foxfireの良い所は機能性だけでなく、見た目も野暮ったくないところだと思います。
シルエットも基本的に細身な傾向のイメージです。
まず、胸とお腹部分に4つのポケット、左腕部分に1つポケットがあることがわかるかと思います。
また、写真では見えませんがお腹部分のポケットの両サイドにスリットが有り、ポケットの裏側に手を入れられるハンドウォーマーがありますので、これで7つのポケットとなります。
※ハンドウォーマーの手の甲が当たる部分(フロントポケットの裏側)は非常にツルツルとした裏地になっており、手を入れた際の肌触りが非常に良いです。細かなところまで気が利いているなと思いました。
フロントの4つのポケットはマチもあり、結構膨らむのでそれぞれに収納力があります。所有していないので試せませんが、角型フィルターなんかを入れたりするのにも良さそうだなと思いました。
背中側です。背中の中心あたりに偽色が出てしまっていますが、実物は黒一色です。(ちなみにα7Ⅲで撮影)
なお、フードはボタンで着脱可能です。
わかりづらくて恐縮ですが、写真左下が服の上側です。左胸のみ内側にポケットがあります。
ポケットは縦に結構深く、長財布等も余裕で仕舞うことができます。
そして胸のフロントポケット脇に付いているジップを開けると、最大の特徴である巨大ポケットになっています。
ざっくりとした巨大ポケットのイメージがこちら。
誇張無く赤線の中が全てポケットの空間になっている感じです(上手く書けなかっただけで、下部の横幅はもっとあります)。
公称の70-200mmF2.8だけでなくもっと大きなレンズも余裕で入ると思います(詳細は後述)。
この巨大ポケットが左右に付いています。
また、ポケット内には更に内ポケットが備え付けてあります。
巨大ポケットが縦に深すぎるので、そこまで長くない物などは内ポケットに入れると便利です。
内ポケットでも500mlのペットボトルが収まるくらいの深さがあります。
身近に飲み物が無かったので、450mlの醤油ボトルを入れてみました(笑)
これで12個のポケットとなります。凄すぎる収納力です。
素材感・着心地が良い(ナイロンが安っぽくない)
今回、実物を見ることなく通販で購入していたので、一番心配していたのがナイロン素材の質感や着心地でした。
撥水かつ丈夫なナイロン素材と謳っていたので、もしかしたら硬いゴワゴワした着心地かもなと思っていたのですが、実際は非常に柔らかくて着心地が良く、半袖の上に羽織っても全然苦じゃなかったです。
これは一番嬉しい誤算でした。
また、これは買うときに散々販売サイトの拡大写真等を見た上で判断したので予想通りではありましたが、個人的に素材の質感に安っぽさは感じず、好みの質感でした。
できるだけ生地の感じを写そうと寄って撮った写真です。ツルっとしてテロテロしたような安っぽい感じじゃないのが伝わりますでしょうか。
デザインもシンプルで非常に気に入っているので、
- 見た目◎
- 着心地◎
この時点で、普通の洋服としても満足度が高い商品でした。
まだわかりませんが、高耐久性も謳っていますので、これだけでも高い値段の価値はあるかなと感じています。
また、フロントのジップはダブルジップとなっています。
これはPeak Designの"Capture"を使って、腰からカメラをぶら下げている私にとっては、服の下部がカメラに引っかかる度合いが軽減されるので非常に大きなポイントになっています。
巨大ポケットに色々と入れてみる
前述のとおり、単純に洋服としても気に入っていますが、何と言ってもこの服は巨大なポケットが売りですので、その収納力を検証していきたいと思います。
まずは定規を入れてみました。
前項の写真に記載の赤枠の様に、ポケットの空間自体は肩付近の高さまであるのですが、入口の設置位置的に空間一杯の長さの物を入れることはできません。それでも高さ50cm程の高さの物も収納することができます。
今度は内ポケットに定規を入れてみました。
内ポケットの深さは20cm強くらいですかね。
これだけでかい封筒も余裕で収納できます。薄い物ですと服も膨らまないので非常に楽に仕舞えます。
個人的には最近iPad Proの11インチを買いまして、それが楽に仕舞えるのが非常に便利だなと実感しました。
以前はiPad miniを使っていて、miniをポケットに仕舞える服はいくらでもあるのですが、11インチ以上の物を仕舞えるポケットというと一気に数が少なくなるかと思います。そしてこの服なら11インチどころか12.9インチの方でも楽に仕舞えるのではないかと思います。
フルサイズミラーレス一眼カメラ"α1"と望遠ズームレンズ"SEL100400GM"、K&F Conceptの"TC2335"というトラベル三脚(縮長約35cm)を服の上に置いてみました。ポケットの深さには余裕があります。
実際にカメラを入れてみます。
このように入れることはできます。ちなみにレンズに三脚座も付けている状態で仕舞っています。
更に今度はズームレンズを最大まで伸ばして、更にフードを付けた状態で試してみました。
これでポケットの空間一杯くらいかなという感じですね。これが入るなら、長さ的には"SEL200600G"という更に大きなレンズも入るのではないでしょうか。
ズームを伸ばしても収納はできました。鏡筒が伸びている状態ということがわかるかと思います。
凄い収納力です。
今度は、先ほどの写真に写っていたトラベル三脚より長い、Leofotoの"LS-284CLin"(縮長約54cm)という三脚を収納してみようと思います。
このようにスッポリと収まりました。
実用性は次項で述べますが、とりあえず収納力は抜群だということが伝わったかと思います。
ポケットの実用性について
ここまでポケットの収納力について述べてきましたが、実用性を一言で述べると、
収納したものが、そのまま着心地に悪影響を及ぼす
これに尽きました。
非常に薄手で軽快な着心地の素材のせいで、巨大ポケットに限らず、全てのポケットで物を仕舞うと、仕舞った物の感触がダイレクトに身体に伝わってきます。
具体的には、例えばお腹部分のフロントポケットにスマホを収納した状態でハンドウォーマーに手を入れると、手の甲にスマホの固いごつごつした感触をもろに受ける感じになります。
なので、前項のような巨大なレンズや三脚を仕舞うと、まず非常に着ぶくれしてしまい見た目にも違和感が出ますし、巨大ポケットが膨らむことで、前面のフロントポケットも圧迫されてあまり物が入らなかったり、またそれぞれの荷物がぶつかる感じになったり、そして着心地が最悪になってしまうということで、何でもポケットに入れて手ぶらで過ごすという観点では実用性は無いなと思いました。
レンズを収納した写真を見てみると、服がパンパンに膨らんでいることがわかるかと思います(笑)
流石にこの状態で街を歩くことは厳しいです。
また、ここまで大きな荷物でなくても、軽すぎる素材が影響してか、荷物を入れると首の一点に負荷がかかる感じで想像以上に着心地が悪くなります。
一回実験として、
- 長財布
- 小銭入れ
- スマホ
- iPad mini
- キーケース
- 折り畳み傘
- ウォークマン(SONY ZX300)
- 道中で500mlのペットボトル
これらを全てポケットに仕舞って往復1時間程の道を歩いてみましたが、首が痛くて非常に苦痛でした(笑)
これは最初の方でも述べましたが、元々存在する冬用の"フォトレックジャケット"であれば、生地も厚く服自体の重さもあるので、このような着心地の変化は少ないのかなと、触ったことも無いですが勝手に想像しています。
ということで、大量の物を仕舞うのはあくまで非常用の扱いで、常用には向かないなというのが私の感想でした。
それでも、いざ両手を空けたい時に、レンズごとカメラを一旦しまえるというのは非常にメリットがあると捉えています。
またテレコンくらいでしたらとりあえずポケットに入れておけるというのも便利です。
結果として写真を撮りに行く際は、自然とこの服を選ぶことが多くなりました。
終わりに
レビューは以上となります。
非常にユニークな機能性の服ではありますが、まず大前提として
- 見た目◎
- 着心地◎
この点で単純に服として非常に気に入っております。
巨大ポケットをあくまでおまけとして捉えられるのであれば、高額ですがお勧めできる商品だと思います。
余談ですが、私はこれを購入して届いた翌日に、Amazonを見たら色違いが偶然にも30%オフくらいになっていましたので、思わず追加購入してしまいました(笑)
一応それくらい気に入ってはいます。
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