【初心者向け】夕焼け空と犬や人の綺麗な撮り方②【RAW現像編】

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前回記事からの続きです。

冒頭の写真のように、夕焼け空の色と被写体どちらも綺麗に写す撮り方のRAW現像編です。

前回記事と同じ作例で、RAW現像のパラメータの一部抜粋を写真と共に見ていきたいと思います。

使用しているRAW現像ソフトは、"Adobe Lightroom"、撮影機材は"SONY α7Ⅲ"とレンズが"SEL135F18GM"です。

なお、前回記事の冒頭でもお話ししましたとおり、「写真(現像)に正解はございません」ので、今回ご紹介する方法も、一つの表現方法として参考にしていただければと思います。

※「そもそもRAW現像って何?」「マニュアルモードがわからない」という方はまず下記記事からご覧ください。

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前回の写真

まず前回出した写真を見ていきましょう。

※撮影の際は、周辺の人々やワンちゃんの安全確保をするよう十分ご注意してください。
作例の犬は老犬になり、動きがゆっくりになったので少し距離を置いて撮ることができています。
それでも、私も狭い歩道で車が近くを通る場所等で撮影することは避けていますので、周辺の状況やワンちゃんへのしつけの状況等を鑑みて、自己責任で撮影していただきますよう宜しくお願い致します。

同じ場所・時間で撮った、”現像前提”で見た私なりの、”①明るすぎ””②適正””③暗め”、それぞれの明るさの写真です。

まずは現像前(Lightroomに取り込んだ時点)での写真です。

露出過多の犬と夕焼けの現像前写真
①明るすぎ
適正露出の犬と夕焼けの現像前写真
②適正
露出不足の犬と夕焼けの現像前写真
③暗め

「何故ぱっと見暗く見える写真が適正なのか?」等についての詳細は後程説明致します。

これらの写真が現像後はこうなります。

露出過多の犬と夕焼けの現像後写真
①現像後
適正露出の犬と夕焼けの現像後写真
②現像後
露出不足の犬と夕焼けの現像後写真
③現像後

今回特にお伝えしたいのは、②と③の写真は、α7Ⅲのダイナミックレンジであれば大体同じような写真に仕上げられますが、仕上げる過程、手間が変わってくる、というところです。

とはいえ、順番こんがらがるとややこしいので、順番通りに①の写真から見ていきたいと思います。

①明るすぎる写真の現像画面

これから紹介する現像画面ですが、なぜか画面をスクショしますと、各項目の冒頭に"自動"という言葉が現れてきてしまいます。ですが、実際に見ている画面では"自動"という表記はございません。

各パラメータ初期値の画面がこちらです。

露出過多の犬と夕焼けの現像前画面
①の初期値

現像前でも犬は綺麗に写っていますね。なぜこの写真が明るすぎなのかは、左上の空の色にご注目ください。

続いて、現像後の写真がこちらです。

露出過多の犬と夕焼けの現像後画面
①現像後

露光量を少し下げ、ハイライトもかなり下げているのですが、空の白色はオレンジ色になってきません。

これが白飛びしてしまっているということです。

よって、「空と被写体どちらも綺麗に写す」という今回の目的においては、この写真は明るすぎたと言えます。

①②③共通で、明るさ以外で現像で大きく変更しているパラメーターが"カラー"内の"色温度(ホワイトバランス)"です。

これはざっくり言うとスライドを右にしていくと、写真が暖色(オレンジ)色になっていき、左にしていくと寒色(青色)になっていきます。

私は、空の色のオレンジ色を強調したいというよりは、犬の身体の色合いが青白く写っている感じが好みでないので、犬の身体の色合いを見ながら調整しています。

※ホワイトバランスは撮影時に設定して撮ることもできます(むしろ撮影時に好みの色の状態で撮る方が一般的とも言えます)。

なお、トーンカーブは今回いじっていません(自分の現像技術が未熟なので、トーンカーブを調整している写真はほとんどございません)。
非常に簡単な調整だけでも現像でかなり変わる、ということも伝わればと思います。

②適正な明るさの写真の現像画面

続いて②の写真の現像前画面です。

適正露出の犬と夕焼けの現像前画面
②の初期値

空はギリギリ色が残っていて、犬の身体の毛の質感も何とか確認できる状態ですね。

これの現像後の写真がこちらです。

適正露出の犬と夕焼けの現像後画面
②現像後

明るさ調整の主要な点だけ解説していくと、

露光量は約+0.3と少しだけ上げています。

ハイライトを下げて空の色を出していき、

シャドウを上げて犬の身体を明るくしていきます。

これだけで明るさの調整はほぼ完了です
後は少し眩しさを出したくて、ハイライトを下げた分、白レベル(最も明るい部分)を上げています。

そして、最もお伝えしたかった②と③の写真の違う部分というのが、これからご紹介する、"効果(テクスチャや明瞭度)"の部分です。

まず、先ほどの現像後の写真から、"テクスチャ"と"明瞭度"のパラメーターを初期値に戻した写真をお見せします。

適正露出の犬と夕焼けの現像途中画面
②テクスチャ・明瞭度が初期値

次に、テクスチャと明瞭度を変更したパラメーターをお見せします(写真自体は2つ前の"現像後"写真と同じです)。

適正露出の犬と夕焼けの現像後画面
②現像後("効果"部分を表示)

ほんの僅かな違いですが、犬の体毛の質感が滑らかで柔らかい雰囲気になっているのがわかりますでしょうか?

テクスチャや明瞭度は、+にすると輪郭や質感などの線をより強調させて写真をクッキリとさせ、-にすると線が柔らかくなり少しぼかしたような雰囲気になります。

③暗めの写真の現像画面

③の暗めの写真の現像前画面を見ていきましょう。

露出不足の犬と夕焼けの現像前画面
③の初期値

②と③の初期値の画像もそんなに差がないように見えますが、③の方がより空の色が濃く、犬もより暗く写っています。

現像後の写真です。

露出不足の犬と夕焼けの現像後画面
③現像後

露光量は約+1.5と結構上げています。

また、②と比較するとコントラストの値も結構下げています。

後は同様にハイライトを下げ、シャドウを上げています。白レベルも同様です。

②と比べて露光量を上げている量が結構変わっていますね。

私の感覚ですが、暗い部分を上げる量が多いほど、ノイズが乗りやすかったり、犬の毛の質感がジャギジャギしてきて汚い感じになってくると思います。


なので、先ほどの明瞭度やテクスチャ等を調整する必要性がより増してくるという感覚が有ります。

※これはセンサーサイズが小さく、ダイナミックレンジが狭くなるほど顕著になると思います。

現像後からテクスチャと明瞭度を初期値に戻した写真がこちらです。

露出不足の犬と夕焼けの現像途中画面
③テクスチャ・明瞭度が初期値

・・・画像を拡大とかしない限りあまり②と違いがわからないかもしれませんね(笑)記事を書いていて思いました。

ですが、実際に現像をしている時の自分は、間違いなく②と③で犬の質感の違い等を感じているのです。

犬の顔の毛の質感が③の方が若干粗い感じがしませんでしょうか?

続いて現像後の"効果"パラメーターを表示させた画面です。

露出不足の犬と夕焼けの現像後画面
③現像後("効果"部分を表示)

②の時と比べてより-に振っていることがわかります。

※最後に②と③を比較する形で再度同じ画像を並べていきますので、記事を遡ったりしなくても大丈夫です。

②と③の比較

ということで、②と③を再度並べる形で見ていきましょう。

まずテクスチャと明瞭度が初期値の画像の比較です。

適正露出の犬と夕焼けの現像途中画面
②テクスチャと明瞭度初期値

露出不足の犬と夕焼けの現像途中画面
③②テクスチャと明瞭度初期値

うん、この画像の大きさでは違いがわかりませんな(笑)ほぼ誤差です。
犬が写っている大きさ等も違いますし厳密には比べられませんね。

本当は動かないもの等を撮って厳密に比較すべきかもしれませんが、そういった厳密な比較よりも、実際に自分が撮りたくて撮った写真を触って、そこから感じた感覚から得るものの方が大切な気がするんですよね。

なので実際にご自身で現像をされてみて、もし私と同じように何か違うと感じましたら、参考にしてみてください。

最後に現像後の②と③を並べます。

適正露出の犬と夕焼けの現像後画面
②現像後("効果"部分を表示)
露出不足の犬と夕焼けの現像後画面
③現像後("効果"部分を表示)

②はテクスチャ"-23"、明瞭度"-12"です。

③はテクスチャ"-30"、明瞭度"-19"です。

数字だけ見ると僅かな違いかと思いますが、私にとっては10、20、30で結構な違いが出てくる印象です。

10、20くらいまでの変更ですと、似た環境で撮った写真は一括で編集設定をコピペするだけで複数枚の現像が完了し、あまり問題無いことが多い印象です。

ですが、30も変える時は、似た環境で撮った写真でも一枚一枚確認しないと明らかにおかしな写真になってしまうものもある気がして、結果手間がかかっている印象が有ります。

なので、なるべく現像時に変更箇所・変更数値が少ない写真を撮影時に撮れることが理想だと、私は考えております。

まとめ

以上のように、単純に空も被写体も綺麗に写したい場合は、

  1. 暗めに撮影する
  2. ハイライトを下げる
  3. シャドウを上げる

これらとホワイトバランスの調整だけでも十分綺麗に仕上がると思います。

ただし、作例で上げてきた②と③の違いが気になる、現像時の手間を減らしていきたい、というふうになった場合は、

暗く撮る場合も暗くなりすぎないように気を付ける

というふうに、撮影時の設定が少しシビアになってきます。

また、センサーサイズが小さいなど、よりダイナミックレンジが狭い機種である程、RAWデータの情報量が減ってきますので、これも撮影時の設定がシビアになってくると思います。

私自身も撮影歴が短く、色々な機種を触ったことがないので、どのセンサーサイズや機種なら今回のように撮れるとは言えず恐縮ですが、とりあえず断言できることは、私と同じα7Ⅲであれば、今回の例と同じような写真は簡単に撮ることができます。

興味がある方は是非お試しください。

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