2019年の秋、念願のマクロレンズ"SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art"(通称カミソリマクロ)を購入し、とりあえず何処かに写真を撮りに行きたいと考えておりました。
私がまずマクロレンズで撮ってみたかったのが、「昆虫」「水滴」「花」等の接写写真でした。
特に私は動物全般が元々好きでしたので、昆虫を接写することは大きな購入動機になっていました。
季節は秋でしたので、まずは子供の頃から好きだったカマキリと、比較的撮りやすそうなトンボを撮りたいなと思い、折角なので色鮮やかな背景をボケにして撮れそうな場所がないかなと思い検討しました。
その結果、千葉県野田市にある清水公園内の「花ファンタジア」という場所に行くことにしました。
ほぼ予定も立てず思いつきで、昆虫が居るかは行ってみなければわかりませんでしたが、色鮮やかな沢山の花が咲いているらしく、ちょうど朝方まで雨が降っていて止んだばかりの日でしたので、水滴も至る所で撮れるなと思い、とにかく行ってみることにしました。
使用機材
今回の使用機材は、カメラがSONYのフルサイズミラーレス一眼カメラ"α7Ⅲ"とレンズが前述の"SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art"です。
交換レンズは持って行かず、70mmの単焦点レンズ1本で勝負しました。
また、三脚は使わず全て手持ち撮影で撮っています。
※"SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art"のレンズレビュー記事はこちらにもあります。レンズにご興味ありましたらご参照ください。
作例
それでは撮った写真をご紹介していきたいと思います。
まずは花ファンタジアの売りの一つであるピンク色のコキア群です。
正直に言いますと、ネットで調べるとよく出てくる有名なコキアの景色とは違い、規模は大分小さいです。
見渡す限り続いている、というようなことは決してありません(笑)
なのでコキア群がどこまでも続いているかのように見えるよう、コキアだけを画角に収めるよう工夫して撮りました。
そういう場所なので、広角レンズでの撮影はあまり向かないと思います。
また、撮影日の数日前に非常に大型の台風が来たこともあり、倒れてしまっているコキアもいくつか見受けられました。
上記の写真はそういった物も写らないように気を使って撮ったと記憶しております。
これも程度はマシな方ですが、このように斜めに傾いてしまっている物がありました。
ですが台風直後はもっと荒れていて、スタッフの方々が懸命に修復してくださったみたいですね。感謝です。
コキアの中でバッタ(ツユムシ)を見つけました。
コキアに寄って撮るとピンク色の草原みたいで面白い光景になりますね。
目的の一つだった水滴写真です。
何枚か水滴写真が続きます。
マクロレンズを買ったことで、雨上がりの天候が一番好きになったかもしれません。
メキシカンブッシュセージという花だと思います。
水滴が目玉で、蟻等の昆虫の顔みたいに見えるなあと思って撮りました。
蜘蛛の巣に引っかかった水滴を撮ってみました。
細かな部分も精細に描写してくれていると思います。
これはコロンコロンの水滴が印象的で撮りました。
撥水性がよくわかります。
今回の水滴写真ではこれが一番気に入っています。
今にも零れ落ちそうな、果実のような水滴が印象的でした。
水滴メインの写真は以上です。
個人的に一番気に入った花は、このサーモンピンクというのでしょうか、非常に美しい色のサルビアでした。
とにかく好きな色合いで非常に印象に残っています。
ちょうどアカトンボが周辺を飛び回っていたので、留まった所を撮りました。
この写真も、サルビアができるだけ多く咲いているように見えるよう、画面の大半を花が埋めるよう画角を調整して撮りました。
引きで撮って満足した後は、マクロレンズを活かしてトンボに近づいていきたいと思います。
ほぼ最短撮影距離(カメラセンサーから約28cm)くらいの距離感だったと思います。
ピントの合う範囲が非常に狭かったですが、横向きのトンボはまだ合わせやすかったです。
AF(オートフォーカス)でも大体正確にはピントを合わせてくれますが、トンボの複眼が一番解像するレベルの正確性を求める場合はMF(マニュアルフォーカス)で合わせた方が確実です。
MFで最短撮影距離にピントが合うように設定し、身体とカメラを前後させてピントを微調整して撮ったように記憶しております。
トンボは仮に飛んで逃げてしまっても、少し周回してまた同じ場所に留まってくれることが多かったので、慎重に距離を詰めて撮りやすかったです。
朱色、緑、黄色と色鮮やかな背景が非常に気に入っている写真です。
他の記事でも紹介した写真ですが、正面から撮ったのはこんな感じです。
これは複眼より少し手前にピントが来ていますね。
別カットではピントがしっかり合っている写真もありましたが、一番首を傾げたタイミングで撮れたこちらの写真を採用しました。
サルビアにはオンブバッタもいました。
少し奥まった位置にいたので、サルビアを前ボケにして撮りました。
バッタ繋がりでこちらの写真です。若干トリミングしていたような気もします。
足をあげた瞬間の動作が可愛げがあり気に入ってます。
別の個体のドアップです。
確かAPS-Cクロップモード(焦点距離105mm相当)で撮ったような気がしています。更にトリミングもしているかもしれません。
昆虫の表情まで見えて、マクロレンズは本当に楽しいです。
イトトンボです。
イトトンボの細い体にMFでピント合わせるのが何か楽しいです(笑)
ヤマトシジミという蝶ですかね。これもトリミングしたと思います。
花に留まっていたアブです。
一輪一輪覗いていく楽しみがあるので全然歩みが進みませんでした(笑)
園内には池も有り、蓮やスイレンも多く有りました。
水面に鏡のように写った葉が印象的で撮った一枚です。
こちらもスイレンの水鏡を中心に据えて撮りました。
スイレンを上からも撮りました。
葉に付いている水滴の感じも気に入っています。
スイレンはまだ綺麗に咲いていましたが、蓮は大部分が枯れていましたので、ちょっと趣向を変えて撮ってみました。
枯れた蓮を彩度を落として現像することで、より退廃的な空気を表現したつもりです。
こちらも同様の趣向で撮りました。
枯れ草の密集感を出したかった写真です。
この他にもバラガーデンがあり、沢山の薔薇が咲いているエリアも有りました。
こちらは特に何ちゃらエリアとかではなく、ただの通路上に咲いている草木に混じっていた物ですが、ススキと桜という季節感のイメージが合わない面白い組み合わせで撮ることができました。
秋や冬に咲くサクラも存在するのですね。初めて知りました。
園の奥の方にはコスモスが沢山咲いているエリアも有りました。
蜜集めに夢中なミツバチを接近して撮ることができました。
触覚にまで花粉が付いているのが見て取れます。
コスモスも台風の影響で折れ曲がってしまっている物が多く有りましたが、それでも懸命に咲いていました。
少し引いて撮った一枚です。
秋桜の配置バランスが何となく気に入っております。
ハチではなくスズメガの写真です。
ホバリングしながら花を転々と移動している姿をタイミング見計らって撮ることができました。
最後は入口の方に戻ってきて、再度コキアを撮った時の一枚で終わりにしたいと思います。
コキアの間を通っている人工的な通路を超ローアングルで撮り、小人目線でピンク色の森にいるような情景を写しました。
割と自分のイメージどおりに撮れた一枚でお気に入りの写真です。
作例は以上となります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
私としては撮影していて非常に楽しい場所でした。
広すぎない程よい広さの中にも様々なエリアが有り、小さな被写体を探しながら少しずつ歩いていたので、あっという間に数時間が経過していました。
作例途中でも述べましたが、基本的にほぼマニュアルフォーカスで撮っていて、非常に浅い被写界深度の中で身体を微妙に前後させて撮っていましたので、撮影後の疲労感(特に目)は凄まじかったです(笑)
ですが、撮影途中はそんなことが一切気にならないくらい没頭できていましたので、本当に楽しかったのだと思います。
唯一の心残りは、一番撮りたかったカマキリには結局会えなかったことですかね。
でもまあ、カマキリについては後日別の場所で見つけて沢山の写真を撮らせていただいたので今となっては全然オッケーです。
後は反省点についてですが、完全に前回の等々力渓谷の記事と同じで、三脚を適時使いましょうということですね。
今回は持っていくことすらしていませんでした(笑)
三脚が無かったので絞りを絞ることができず、非常に被写界深度の浅い写真しか撮ることができませんでした。
場合によってはもっと絞って、小さな被写体全体のディティールにピントが合っているような写真もあると、よりバリエーションが増えて良かったかなと思います。
ただし、今回の撮影でピントリングを回してピントを合わせるより、カメラと身体を前後させてピントを合わせる方が楽な場合が多いということを実感してしまったため、三脚を使用する場合には、カメラを簡単に前後させられるスライダー等を併用する必要があるなと感じてしまいました。
今後、適切な機材の検証も含め、色々とマクロレンズでの快適な撮り方を検討していきたいなと思います。
便利な撮り方等が見つかったら、またご紹介していければと思っております。
※今回使用した機材はこちら
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