【Batis 2.8/18】Carl Zeissの超広角単焦点レンズの作例レビュー【α7Ⅲ】

夜の東京都スカイツリーとすみだリバーウォーク 作例
作例

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広角レンズだけは中々これというものが定まらずに売却と購入を繰り返している私ですが、今回Carl Zeiss(カールツァイス)のSONY Eマウント用レンズ"Batis 2.8/18"を購入しました。

超広角レンズはズームレンズの方が使い勝手が良さそうという考えから、単焦点レンズであるこのレンズを購入するに至るまでに非常に悩みました。
ですが何度かレンタルして使用したことも有って、最終的にはZeiss Batisシリーズの圧倒的な色乗りが決め手となり購入しました。

まだ使用回数は少ないですが、数か月使って見た感想と作例の紹介等レビューしていきたいと思います。

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外観、スペック等

まずはレンズの写真等から。

carlzeiss batis18と外箱
Zeiss Batis 2.8/18

長さはレンズキャップ無しで8cmと小型で、太さがあるので重量がありそうに見えるかもしれませんが、持ってみると見た目からはびっくりするくらい軽く感じます。約330gとのことです。

私が所有しているレンズでは"SEL55F18Z"(約281g)に次ぐ軽さです。

小型軽量なのですが、この形状からくる太さが結構厄介です。

フィルター径も77mmで大きい方なのですが、写真を見ていただくとフィルターネジよりも結構外側にレンズの外周があることがわかるかと思います。なのでレンズの最大径は100mmもあります。

※参考までにフィルター径82mmの"SEL135F18GM"は最大径89.5mmです。

そしてレンズフードを付けると更に径は広がります。

carlzeiss batis18
レンズフード装着

こんな感じです。

私は普段PeakDesign"Capture"を使ってカメラの持ち運びをしているので、カメラの底面にはCapture用のプレートが付けっぱなしで、若干カメラの底部が嵩上げされている状態になっています。

ZeissのBatis18をSONYのα7Ⅲに装着
レンズフード無し

レンズフードを付けていない状態なら、このようにレンズはギリギリ地面に着くことがありません。

しかしフード付きのこのレンズを付けてカメラを地面に置くと、レンズフードが先に地面に着いてしまい、カメラを安定して置くことができません(ちなみに"SEL135F18GM"でも同様です)。

レンズフード付きのZeissのBatis18をSONYのα7Ⅲに装着
レンズフード装着

ちょっとわかりづらいですが、カメラ底部のプレートの前面が浮いてしまっています。

こうなるとマウントに負荷がかかっているように感じるんですよね。

基本的にレンズに保護フィルターを付けず、レンズフードはほぼ欠かさず付ける派の自分に取っては結構気になるポイントです。

使い勝手

AF(オートフォーカス)性能

使用カメラはSONYの"α7Ⅲ"ですが、日中は基本的にSONYの純正レンズ"SEL55F18Z"等と比べても、フォーカス速度はそんなに遜色ないのではないかなと感じます。

動物瞳AFもちゃんと動作してくれます。

ただし撮影環境が暗くなってくるとAFが迷うことが増えてくる印象があります。

私はBatisの40mmもレンタルして数時間使ったことがありますが、その時も暗い室内では結構AFが迷ってピントがなかなか合わないことがあったように記憶しています。

レンズ側面のディスプレイ

Batisシリーズには、レンズの側面(カメラに取り付けると上側に来る)に有機ELディスプレイがあり、そこにピント合焦距離や被写界深度が表示されます。

ですが、正直使ったことがありません(笑) この記事を作成していて存在を思い出したくらいです。
レンズの写真もディスプレイ側を撮ることも忘れていました。

それくらい私にとっては無用な物でした。

画質(とにかく色乗りが凄い)

続いて画質に関して感じたことを。

解像感については、十分に良いですが特筆すべき程ではないかなといった印象です。

以前所有していたタムロンの17-28mm(A046)のようなズームレンズも解像感は優れていたので、その点に関してはそこまでの差を感じませんでした。

このレンズ、というよりZeissのレンズの全体的な特徴に感じていますが、とにかく凄いのは色乗り(発色)の良さとコントラストの高さです。

私はSONYから発売されているZeissブランドのレンズ(SEL55f18z等)も所有していますが、Batisシリーズは上記の特徴がより顕著に表れているように感じています。
Batisの40mmもレンタルして使用した際に発色の良さに圧倒され同じような印象を受けました。

私の元々のイメージでは現像前のRAWデータというのは、色味等があっさりとしていて、そこから自分で記憶等を頼りに味付けをしていくものだと思っていました。

ですがZeissのレンズはRAWデータを取り込んだ時点で既に発色が良く、シャドウの階調も豊かで、RAWデータを見るだけでテンションが上がることが多々あります。時には発色が良すぎて彩度を落とすこともあります。

意図を持って彩度を落とす現像をする場合を除いて、私は基本的に現像で彩度を落とすことは少ないので、彩度を下げたくなるくらいの発色の良さは衝撃でした。

実際に何枚か写真をご紹介したいと思います。

夜の東京都スカイツリーとすみだリバーウォーク
RAW現像後

まずはRAW現像後の写真です。東京スカイツリーと橋を渡る電車の光跡を撮った一枚です。

夜景の煌びやかさを強調する為若干彩度上げています(自然な彩度+6、彩度+7)。

これの現像前がこちらです。

夜の東京都スカイツリーとすみだリバーウォークの現像前
RAW現像前

プロファイル「Adobeカラー」でLightroomに取り込んだだけの状態の写真です。

この状態でも色は十分出ているのではないでしょうか。現像で主にやったことはハイライトを下げ、白レベルと明瞭度を少し上げたくらいですかね。

夜の東京都スカイツリーとすみだリバーウォークの現像前
RAW現像前
夜の東京都スカイツリーとすみだリバーウォーク
RAW現像後

続いてはこちら。

ライトに照らされる緑
RAW現像後

これの現像前がこちらです。

光に照らされる緑の現像前
RAW現像前

プロファイルなどの条件は先ほどと同じです。緑の色の濃さに驚いた記憶があります。

光に照らされる緑の現像前
RAW現像前
ライトに照らされる緑
RAW現像後

最後の比較写真がこちらです。

青い曇り空
RAW現像後

まずこの写真、ほんの少しだけ青みがかった普通の曇り空をホワイトバランスオートで撮ったのですが、びっくりするくらい印象的な青い雲になってしまいました(笑)

Batisは特に青と緑の発色が濃いなと感じることが多いです。

これの現像前がこちら。

青い曇り空現像前
RAW現像前

現像は主に明るさを変えただけで、色の濃さ等はほとんど変えていないことがわかるかと思います。

青い曇り空現像前
RAW現像前
青い曇り空
RAW現像後

発色の凄さ伝わりましたでしょうか?

発色の良くないレンズで彩度を上げただけの画像とは違う、コクが有るような色になってくれる印象が有り、私にとっては色乗りの良さというのは非常に重要な要素だなと思っています。

周辺減光はかなり大きい

Batis18は絞り開放で撮る場合は周辺光量落ち(画面四隅が暗くなる)がかなりあるように見受けられます。

ですが、これに関しては私は以下のように考えています。

  • 風景を撮る時は絞って撮る⇒その場合周辺光量落ちしなくなる
  • 犬や人を撮る場合は、広角過ぎて周辺の情報が散漫になりがちので、逆に周辺光量落ちがありがたい
  • 周辺減光が有る方が視線が被写体に集中しやすく、良い雰囲気にもなることがある
  • 必要であれば、Lightroomのレンズ補正を適用すれば簡単に周辺が明るくなる

以上のことから、あまりデメリットとは思っていません。

難点をあげるとしたら、トリミングをする場合はトリミングしていない隅だけが暗くて不自然になる可能性があるということくらいでしょうか。

作例

最後に作例をいくつか紹介していきたいと思います。

使用カメラは全てSONYの"α7Ⅲ"です。RAW現像しています。

テーブル下のチワワ
F2.8 1/30秒 ISO1000

レンタルして何度かは使っていましたが、購入して初めて撮った写真です。

テーブルや椅子の下に居る犬をダイナミックに撮れるのが、広角レンズ楽しいなと思えました。

赤く焼けた空
F8 1/15秒 ISO100

Batis18を購入した翌日に空が激しく焼けてくれました。

意外と超広角の画角目一杯に空が焼けてくれることってあまり無いように思いますので、自分とBatisの相性が良いのだなと思いました(笑)

メタセコイア群
F16 1/125秒 ISO500

メタセコイアの木々です。超広角レンズを持つと背の高い木を撮りたくなります。

RAWを弄っているとやはりシャドウの階調が豊かに記録されているように感じます。

木漏れ日に照らされる水元公園の歩道
F16 1/100秒 ISO500

一つ前の写真と同じ場所で、遊歩道を照らす木漏れ日が印象的で撮りました。

地面から木のてっぺんまで写せるのも超広角ならではですね。

ただ、やはりズームレンズでは無いので、微妙に一歩ずつ立ち位置を変えてみたり、カメラの高さや向きも数cmずつ変えて撮ってみるなど、ここだという構図が定まるまでに時間がかかります。

超広角レンズは僅か数cmの位置や向きの違いで構図が大きく変わってくるので、標準域の単焦点レンズより難しく感じています。

草木に囲まれた湖
F9 1/800秒 ISO200

草木に囲まれた池のリフレクションを撮りました。

超広角は縦構図の写真が増えますね。

湿った植物群
F8 1/30秒 ISO400

近距離目の物を撮った写真です。

細い葉も細かく描写してくれています。

光漏れる山道
F8 1/50秒 ISO100

目の前の石にスポットライトの様に太陽光が差し、山の奥へ薄っすら道が続いているように見える、というのをイメージして撮った写真ですが、あまり思ったように印象的な写真にはなりませんでした(笑)

やはり広角レンズは難しいです。

広角レンズで撮ったチワワ
F2.8 1/800秒 ISO100

歪みは少ないレンズだと思いますが、どうしてもパースが効いてしまいますので被写体にあまり寄ったり、画面の端に置いたりすると伸びて見えてしまいます。

鼻の短いチワワであれば、ここまで寄ってもギリギリセーフかなと思いました。

ちなみに元々鼻の長い犬を同じように撮ってみたら悲惨でした(笑)

色鮮やかな川沿いの森
F7.1 1/500秒 ISO100

最後の写真です。

PLフィルターを使っていないのにこの空の青さは本当に凄いなと思います。

何度も言いますが、色にコクがあるコッテリ描写だなと感じます。

このレンズで風景を撮る場合は、色を出すためだけであればPLフィルターを付ける必要は無いかなと感じています。

作例以上です。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

やはり超広角の単焦点レンズという難しさは感じています。

ですが、どんなRAWデータを見せてくれるのだろうというワクワク感が有り、使ってて楽しいレンズだとも思っています。

なので、概ね購入した事については現状満足しております。手放すつもりもありません。

購入した後なので私にとっては関係無いのですが、このレンズの一番のネックは値段が高すぎるということだと思います。

Zeissのレンズは写りは間違いないことはわかっているのですが、似た焦点距離の競合レンズと比較した時に、スペック(主に開放F値の暗さ)と価格を考えるとどうしても割高に感じてしまいます。

Batis18については新品と中古の価格差がかなりありましたので、私は中古で購入しました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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