前回の旅行計画概要に続き、真冬の知床羅臼への旅行に向けて準備したもの、持って行って良かったと思った物や意外と使わなかった物等を紹介していこうと思います。
この冒頭の写真を撮る数分前は晴天だったのですが、天気が急変し目を開けるのも辛いくらいの暴風雪になりました。
このような厳しい気候に対応できるよう、やはり防寒対策が最重要だと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
※前回記事はこちら。
カメラ機材
今回持って行った機材はこちらです。
【カメラ本体】
- α7Ⅲ(SONY)
- RX100M5A(SONY)
以上の2台を持っていきました。
メインカメラはSONYのフルサイズミラーレス一眼"α7Ⅲ"です。飛んでいるオオワシを撮ることが最大の目標でしたが、このカメラのAF性能で十分満足する写真が撮れました(成功率は体感70%無いくらいといった感じでしょうか)。
サブカメラとして、同じくSONYの高級コンパクトデジカメである"RX100M5A”も持っていきました。
α7Ⅲは基本的に望遠レンズを付けての撮影を考えていたので、咄嗟に風景を撮りたいと思った時等にサッとポケットから取り出せるサイズ感が魅力的です。
そして、旅行に持って行った"α7Ⅲ用"の交換レンズがこちらです。
- SEL100400GM(SONY)・・・メイン使用(レンタル)
- SEL135F18GM(SONY)・・・暗い場面での使用想定
- 17-28mm F/2.8(A046) (TAMRON)・・・風景写真用
必要最低限で以上3本のラインナップで臨みました。料理や人物などの旅行らしい写真は撮る気がなかったので、標準的な焦点距離のレンズは一切持って行っていません(笑) その辺も"RX100M5A"に任せるつもりでした。
カメラバッグはPeak Designの"Everyday Backpack 30L"を使用しました。このバックが個人的には想定以上に使いづらく、余り無駄にレンズを入れていくことはやめようと思った大きな要因でもあります。
こんな感じで、リュックに三脚バッグを取り付けて背負って野付半島等を歩いていました(当時は違う三脚バッグだったと思います)。
※クルーズ船では邪魔になると思い、三脚は宿に置いていきました。また、飛行機に乗る際は三脚はスーツケースに入れ預けています。
結果として、写真の95%くらいは手持ちで撮っていました(笑)
長秒露光等は今回全くしなかったので、三脚は持っていかなくてもそんなに困らなかったなと思いました。
まあそれでも、いざ持っていないと後悔するので、今後も基本的には持っていくと思います。
なお持っていった三脚はLeofotoの"LS-284CLin"、雲台がSIRUIの"K-20X"です。
カメラの防寒(結露)対策
寒冷地に行く際にカメラで気を付けることを調べてみると、まず出てくるのが結露対策についてだと思います。
私のα7ⅢやSONY純正レンズはSONYストアの「ワイド保証」等に入っているので、多少のリスクが合っても積極的に使用することに躊躇はしなかったのですが、前述のとおり今回はレンタルレンズをメインで使用する予定でしたので壊すわけにはいかず、対処法を色々と調べました。
※SONYストアのワイド保証は安心して高価な機材を使用できるのでおすすめです。詳細についてはこちら。
結露とは
簡単に述べますと、カメラ本体の温度と気温の差が大きい時に発生するみたいです。
例えば屋外でカメラを使用していて、何も気にせずそのまま暖房の効いた室内にカメラを入れてしまうと、すぐに結露が発生してしまうようです。
結露はレンズやカメラの内部でも発生するみたいなので、しばらく撮影ができなくなるだけでなく、ショートする等故障の原因になり得ます。
そんな厄介な結露を防ぐには、「カメラの急激な温度変化を避ける」これに尽きます。
具体的には、
- 鞄にしまって屋外から屋内へ(屋内も馴染ませるように寒い場所から)、移動後すぐにはカメラを取り出さない
- カメラの防寒カバー等を付けっぱなしで撮影する(カメラ自体を冷やさないようにする)
- 撮影直後は車の暖房をいきなり強くしすぎない
- 万が一結露してしまった場合は電源を決して入れずに、ジップロックに除湿剤と一緒に入れて暫く放置
この辺が重要かなと思いました。
※結露についてはCanonのホームページでわかりやすく解説されていました。リンク貼らせていただきます。
それでは具体的に準備した商品を紹介したいと思います。
カメラ防寒ダウンカバー(KANI)
今回のカメラ関連で一番役立った商品です。簡単に言うとカメラのダウンジャケットです。
結果としては、これだけで結露発生することなく過ごすことができました。他に準備した商品の出番が無かったです(笑)
基本的にα7Ⅲをこれに入れっぱなしで、ずっと使っていました。
適当に畳んで袋に収納するとこんな感じです。
大きいと感じるか小さいと感じるか意見が分かれそうな大きさでしょうか(笑)
袋にフックも取り付けられていて、鞄の外に取り付けることもできるので、個人的にはまあ持ち運べる大きさかなと思います。
一眼レフカメラにも取り付けられる大きさなので、α7Ⅲに対しては結構大きいです。
普通はこのように三脚使用時に使う物なのかもしれませんが、私は手持ちでフル活用していました(笑)
今回の旅行で初めて使った時は大きいなと感じていたのですが、レンタルではなくレンズを購入した今改めて取り付けてみると、レンズ部の長さはあまりないことに気づきました。
上の写真は、"SEL100400GM"を望遠端にズームした時の写真です。
レンズフードまで覆うことはできません。
カバーのレンズ先端部分のゴムは結構きつめに作られていますので、フードに上手く固定できたらスムーズにズームもできていいなと思っていたのですが、長さが足りないのでズームをすると鏡筒部分にズレてきてしまいます。
このせいで一つ大きな欠点があります。
ズーム時は別にいいのですが、撮影中に素早くワイド側に戻したい時にカバーがレンズに干渉してしまって、ワイド端まで戻すことができません。
写真のEXIFを見直すとだいたい焦点距離140mm前後までしか戻せなかったみたいです。
ズームをしていないとカバーの長さは丁度いいです。先端のゴム紐は締め付けを強めるのではなく、カバーの長さを縮める為だと思います。
カバーの両サイドから手を入れることができます。
ただし、手を入れる場所もすぼまっていて、頻繁に手を出し入れするには向いていないので、私は下部の三脚が出ている場所から左手を入れることが多かったです。
背面から見るとこんな感じです。カメラ本体を覆う部分はかなり大きいことがわかるかと思います。
背面はジップをしてカメラをスッポリ覆うことができますが、その場合はファインダーか液晶モニターの表示をどちらかに固定するよう設定しなければならないと思いましたので、私は背面部はこのようにジップを開けたまま(正確には半分くらい閉めて)、ファインダーと液晶モニターが自動で切り替わる状態で使っていました。
あくまで緩く防寒できればいいかなと考えていました。
カバーの上部はマジックテープで剥がすことができ、ファインダーやホットシューを露出させることもできます。
次回撮影旅行に行く際は、ここから照準器を出そうかと考えていましたが、こう見るとダウンカバーが照準器の視界を遮ってしまいそうな感じがしています。これについては今後検証してみようと思っています。
このように大きさもあり、ズーム動作に干渉するデメリットもありますが、それを補って余りあるメリットが、とにかく暖かいということです。
前述のように、完全に密閉をせずに使っていましたが、基本的にカバー内に手を入れっぱなしだった右手に関しては、手袋を付けないで撮影していたことも多かったです。手汗をかくこともありました。
詳細は後述しますが、不安が多かったので今回手袋を数種類用意して旅行に臨んだのですが、結局使用した手袋は薄手の物ばかりで、一番防寒性の高い手袋は一度も使用しませんでした。
それくらいこのカバーが大活躍してくれました。
室内や車内への出入りも、カバーを付けっぱなしにすることであまり気にせずにカメラを持ちこめ、結果として一度も結露することはありませんでした。
おすすめです。
King 強力乾燥剤 OZO
ダウンカバー以外では、万が一結露してしまった時のことを考えて準備をしました。
前述したとおり、結露してしまった場合はジップロックに除湿剤を入れるのが効果的なようなので、効果の高そうな除湿剤を探しました。
購入したのがこちらです。
「即効タイプ」と「超即効タイプ」の二種類があり、「超即効タイプ」の方を購入しました。
ただし、前述のとおり今回は結露させずに済みましたので、一度も使わず未開封のままです。なので効果はわかりません。
説明を読む限り、普段のカメラ保管用のドライボックスには効果が強すぎると思いますので、暫く出番は無いと思います。
特大ジップロック
先ほどからジップロックに乾燥剤を入れると言ってましたが、"α7Ⅲ"と"SEL100400GM"が入るジップロックはなかなか見つけるのが大変だと思います。
私は家にコストコで売られている大型の物があったのでそれを何枚か持っていきました。
Amazon等でも探せば売っているみたいですね。
その他
今回の為に準備したものとは少し違いますが、念のため気を付けたこととして、普段使っているPeak Designの"Capture"は使わないことにしました。
上の写真の黒い金属のやつです。普段はこのようにベルトにCaptureを取付け、そこにカメラを取り付けて身体からぶら下げてカメラを持ち運んでいます。
今回は何となくのイメージで、もしCaptureに取り付けている時に凍結して取り外せなくなったら嫌だなと思い、旅行に持っていきませんでした。
代わりに同じくPeak Desiginの"Slide Lite"というショルダーストラップを使ってカメラをぶら下げていました。
それ以外には、自分は買いませんでしたが、雪原で三脚を立てる可能性がある方は三脚用のスノーシューを用意された方がいいかもしれません。三脚が雪に沈み込むのを防いでくれると思います。
私も次回の旅行では持っていくことを考えています。
自身の防寒対策
次は自分自身の防寒対策装備を紹介します。
SorelのCaribou(ブーツ)
まずは足元から。Sorel(ソレル)の"Caribou(カリブー)"というウィンターブーツです。
寒冷地用のブーツとしてはド定番アイテムらしいです。
私は今回の旅行を決める以前に、別の場所で早朝に風景写真を撮っていた際に足元の冷えを強く感じて購入していたアイテムでした。
実はこのブーツの防寒性を試したいという気持ちも積極的に知床旅行に行こうと思った要因の一つです(笑)
結果としては、非常に暖かい上に思った以上に足を動かしやすく、歩いていても疲れづらいので大満足な商品でした。
足元にかなりボリュームが出ますが、見た目も気に入っていて、タウンユースもしています。
地面から数センチまでは完全防水になっていますので、10cmくらいの積雪があった野付半島を歩いている時も雪が靴の中に入ってくることはありませんでした。
また、雪道を歩いていても非常に滑りづらいです。ただし、凍った路面の上は非常に滑りやすいので注意が必要です。
分厚い靴下を履く前提なのか靴の内部の造りは大きく、足元が本当にボリューミーになりますが、私は旅行中ずっとこの靴を履いたまま運転していました。ブレーキとアクセルを同時に踏めちゃいそうな足の大きさになり、少し気を使いますが実際に運転してみるとそこまで苦労はしませんでした。
肝心の防寒性ですが、基本的に厚手の靴下1枚履くだけで辛い思いをすることはありませんでした。
オーロラを見に行く時等にも履いていけるような靴らしいので、全然問題無かったです。
ちなみに私は、素材違いのカリブーウールという商品を購入しました。これのダークブラウンの色味が完全に好みでした。
なお、クルーズ船の早朝便の時は気合を入れて靴下2枚重ねで行ったのですが、適当な綿の靴下を2枚重ねてしまったので靴の中で汗をかき、それが発散されずに冷えて逆に寒い思いをしてしまいました。反省点です。
ということで次項は靴下を紹介したいと思います。
Smartwool のマウンテニアリング(ウールソックス)
この旅行では適当に安価な分厚めの靴下を履いていましたが、上記のような反省点もありましたので、今気に入っている靴下を紹介します。
Smartwoolは登山用等のウール製品に非常に定評の有るメーカーみたいです(後述しますが、ここのネックウォーマーは旅行時に実際に使用していまして、凄く気に入っています)。
この靴下はつい最近購入してみたのですが、履いてみて驚きました。
メチャクチャ暖かいですし、非常に分厚くて履き心地もふわっふわで最高に気持ちいいです。
寒い日にルームソックスとしても使いたいくらいです。
Smartwoolの靴下で最も暖かい商品らしく、厳寒の登山等でも使えるみたいです。
ウールが74%も混紡されており、吸湿性や消臭効果も抜群です。
とりあえず靴下はこれさえあれば大丈夫そうな気がしています。次回の旅行では大活躍してくれることでしょう。
欠点は値段が高いこと(3,000円弱)。何足か買おうと思うと結構きついですよね。
後は非常に分厚いので、ぴったりの靴を履いている場合は足が入らなくなるかもしれません。
靴下としては高いですが、値段に見合った商品だと思います。買い足そうか検討中です。
値段が高すぎるなという方は、ウールソックスの中では次の商品がコスパが良いかと思います。
"DANISH ENDURANCE" のウールソックス
"DANISH ENDURANCE"というメーカーのウールソックスです。
ウールソックスの中では非常にコスパが良いとAmazonでの評価が高かったので購入しました。
購入した物(リンクの物)はオールシーズン用ですが履き心地が非常に良く、真夏にマウンテンブーツを履く際に使用していましたが、それでも全然蒸れを感じることが無く快適だったのが印象的でした。
非常に気に入ったので、同じブランドからウールのビジネスソックスも発売されていたのでそちらも購入しました。
ちょくちょくAmazonを確認していますが、サイズや商品によって結構在庫切れになることがあります。数か月ぶりに確認してみると在庫が復活している時もありますので、気になる方はチェックしてみてください。
耳当て付帽子
次は帽子です。
耳当てが付いている帽子をAmazonで選んで購入しました。
ゴワゴワするのが嫌だったので天然ファーが使われている物を選びました。
購入した時は、ちょっと大袈裟かなと思っていたのですが、ほぼ必須レベルに買って良かったと思った商品です。
クルーズ船上はかなり風が強い時がありました。そのような時に耳が覆われていないとかなりきついです。
また、クルーズ船以外でも冒頭の写真の様に急な暴風雪に見舞われることもありました。
この帽子は耳当ての下部にバックルが付いていて、顎の下で固定することができますので強風時でも帽子が飛ばされる心配がありません。
欠点は、耳で自然を楽しめないことです(笑)
思い返してみると、ワシの羽ばたく羽音や鳴き声などがほとんど印象に残っていないなと思いました。
オオワシってどんな鳴き声だったっけ?と帰ってきてからYouTubeで検索したほどです(笑)
カメラ用手袋(三種類)
カメラ撮影時用の手袋はインナー含めて三種類持っていきました。
Kenko Grip Hot Shot Ⅲ
私が一番愛用しているのが、Kenkoのカメラマングローブ"Grip Hot Shot Ⅲ"です。
知床用で買ったわけではなく、冬の日常的な屋外撮影用に購入しました。
一番気に入っている所は、薄手で伸縮性が有りカメラの操作がしやすいことです。
両手とも親指と人差し指の先端を出すこともでき、出した場合は手袋の先端を折り返して磁石で固定することができるので、先端が邪魔になりません。
また指を出さない場合でも、親指と人差し指はタッチパネル対応生地になっています。
手のひら部分は滑り止めが付いており、カメラを持つ際も滑りづらいです。
薄手の生地なので使わない際は簡単に丸めてポケットにしまうことができ、また左右の手袋を連結しておくことができるので、片方だけを紛失するようなリスクも軽減できます。
このように、素手と比べても比較的煩わしさが感じづらく使い勝手の良い手袋です。
※現在は、この手袋に更にミトン型のカバーが付いた同商品の"Ⅳ"も販売されています。なので"Ⅲ"は販売数が限られているかもしれません。
ただし、薄手なのでどうしても寒いです。
防寒性は素手よりはマシかなというレベルです。
なので、知床ではこの手袋にインナー手袋を別途装着して使用していました。
MILLET WOOL INNER GLOVE
MILLET(ミレーの)ウールインナーグローブです。アウトレットで安く売っていたので購入しました。
薄手で伸縮性が有るので、できるだけピッタリのサイズを選んだところ、カメラ操作にそんなに支障を感じませんでした。
タッチパネルにも対応しているので、付けっぱなしでもあまり困った記憶がありません。
風は凄く通しますので、当然これ1枚だけだと厳しいです。
ですが、私は旅行の当初は"Kenkoのグローブ+このインナーグローブ"を使っていましたが、特にカメラを持ちっぱなしになることの多い右手は、上述のカメラダウンカバーがあるので、結局インナーグローブだけを付けていることが多くなりました。
知床旅行中では一番欠かせない手袋となりました。
なお耐久性はかなり低そうで、1シーズンの使用で結構ほつれてきています。また安くなっていたら新たに購入することも考えています。
HAKUBA ハクバ GW-PRO RED フォトグローブプロ PL
旅行出発前、どうしても手の寒さに不安があったので、急遽カメラ用グローブではかなり暖かそうに見えたこちらを購入しました。
HAKUBA(ハクバ)の"GW-PRO RED フォトグローブプロ PL"です。当時黒が売り切れで赤を購入しました。
ハクバの手袋は何種類かありましたが、商品名にPLと付いているのがPlimaLoftという素材が使われていて暖かいみたいです。
値段も実売6,000円前後でなかなか高額な商品です。
実際に付けてみると、屋内ではかなり暖かく感じます。すぐに手汗をかきました。
ですが、どうしても上述の手袋に比べて若干厚手になり、カメラの操作性が著しく損なわれる印象でした。
カメラ本体が小型で、各ボタンも小さい"α7Ⅲ"では顕著に手袋の厚さの違いを感じました。"α7R4"移行に発売されたカメラボディではボタン等が若干大きくなっているので、もしかしたら影響が少なくなるかもしれません。
正直この手袋はあまり気に入っておらず、ほとんど使っていないです。
まず、この手袋もKenkoのと同じように指を出してグローブの先端を折り返してマグネットで固定できるのですが、グローブの厚さからマグネットの固定力が弱く、指を少し動かすと外れてしまい、先端が非常に邪魔になります。
また、このような暖かい手袋が必要な極寒の状況で指を出すこと自体が非常に辛く、どれだけ手袋が暖かくても指が出ていると耐えがたい寒さになります。
そうなると、指が出せるように切れ込みがあるせいでそこから風が入り冷える要因にもなりますので、ここまで防寒性重視の手袋であればいっそ指が出せないようになっていた方がいいのかなと思ってしまいました。
そして前述のとおり操作性も悪いです。この手袋にインナーグローブ使用は使いづらいかなと思います。
また非使用時は嵩張ってポケット等にはしまいづらいです。
このように、購入するまでは理想的な商品かもと思えましたが、いざ使って見ると自分には中途半端な商品に感じてしまいました。
結局北海道旅行中に使うことはありませんでした。
現在でも、三脚を使って待ち時間が多い時に付ける時があるくらいですが、そんな用途であれば別にカメラ用手袋でなくてもいい気がしています。
Smartwoolのネックゲイター(ネックウォーマー)
首周りの防寒ですが、マフラーは撮影時邪魔になることもありそうですし、強風で飛んでいってしまう可能性もあるかなと思いネックウォーマーをすることにしました。
ネックウォーマーは色々な物が有りますし、何でもいいかもしれませんが、ちょっと高額ですが品質が良さそうな物を購入しました。
Smartwoolのネックゲイターです。
靴下だけでなくウール製品全般に非常に定評のあるブランドのようですね。
ネックウォーマーはウール100%です。
結構タイトで長さの有る作りになっています。狭めなので首にピッタリフィットしますが、肌触りが良く伸縮性も有るので苦しくはないです。隙間が少ないので風が入ってきづらく暖かいです。
また、長さのある作りが首から顔まで伸ばして装着することができて顔が痛いくらい寒い時に助かります。この時も伸縮性でピッタリフィットしてくれます。
様々な柄が有り人と被ることも少ないのではないかと思います。
買って良かったです。
服装
服装に関しては、特に新しく用意した物は無く、既に持っていた物で対処しました。
アウター
アウターは雪に強く(防水性が有り)、風にも強いということで、スキー・スノボ用のウェアを上下共着ることにしました。
ちょうどタウンユースもできるかなというような地味なウェアを持っていたので助かりました。
暖かさもあり動きやすく、意外と細かなポケットが沢山有ったので、カイロを入れたり予備バッテリーを入れたりと、予想以上に撮影時に便利でした。
インナー
インナーはこれもスノボ用に上下共に色々持っていたのでそれを流用しました。
アンダーアーマーの厚めのインナーやユニクロの極暖等を着て、その上にセーター等を重ねていました。新たに買おうとすると旅行の日数分用意するのが大変ですね。
次回の旅行では、釧路等更に寒い場所へ行くことも検討しているので、その際はインナーダウンジャケットを購入しようかと思っています。
カイロ
カイロは使い捨てのどこにでも売っている物で、貼るタイプと普通のタイプ何種類か持っていきました。
万が一現地で手に入りづらかったら困るなと思い、事前に購入し持っていきましたが、中標津空港周辺の道路沿いには当然お店が沢山ありましたし、羅臼町にも大きなドラッグストアがありましたので現地で手に入れてもいいと思います。
サーモスの水筒
保温性の高い水筒をできれば持って行った方が良いと思います。
定番のサーモスの水筒を持っていきました。
羅臼の流氷クルーズは所要時間が約2時間30分となっています。
その間飲み物などは持参しないとないです。
長丁場なので船上で暖かい飲み物が飲めるのは非常に助かります。あった方が良いと思います。
なお、飲み物はクルーズツアーの集合場所である羅臼港近くに道の駅が有りまして、そこの駐車場に自販機が有りました。
【追記】サングラス
一個大事なものを忘れていたので追記しておきます。
雪の照り返しが非常に眩しいので、車を運転される方はサングラスを用意しておいた方が良いと思います。
後悔したもの
最後に、旅行に行ってみて後悔したことを簡単に述べたいと思います。
"UHS-Ⅰ"のSDカードを使用
まずは"α7Ⅲ"のカードスロット1のみ対応している、"UHS-Ⅱ"のSDカードを使用しなかったことです。
"UHS-Ⅱ"のSDカードは非常に高額ですが、書き込み速度が最大約300MB/Sと高速です。
私が旅行で使用したカードは、"UHS-Ⅰ"の中では高速な方でしたが、それでも書き込み速度は約170MB/S(SanDiskのExtreme PROを使用)でした。
私は普段連写モードは使っておらず、今回初めての動体撮影でしたので、UHS-Ⅰで十分だろうと甘く考えていました。
また、できればバックアップ用にスロット1と2を同時記録する設定にしたかったので。スロット1にしかUHS-Ⅱに対応していないこともUHS-Ⅱを選ばなかった要因でした(同時記録だと結局遅い方の書き込み速度に合わせることになってしまいます)。
旅行に行く前は連写モードでも何秒間もシャッターボタンを押しっぱなしにせず、必要最小限を意識して途切れ途切れにボタンを押すようにすれば何とかなると思っていました。
しかし、ひっきりなしにあちこちで飛び回るワシ達のおかげで想像以上にシャッターチャンスが沢山有り、書き込み速度が追い付かずにシャッターを切れなかったということが何度もありました。
撮影しながら、帰ったら真っ先にSDカードを検討しようと考えていたことをよく覚えています。
カメラのバックアップ対策
こちらもSDカードが関連してくるのですが、私は128GBのSDカードを2枚だけ、予備のSDカードは持って行っていませんでした。
普段は撮影後に、まずカメラ内で写真を見返して明らかに不要な写真はそこで削除したうえで、iPad miniかPCにRAWデータを取り込むようにしています(iPadとPCはLightroomのクラウドで同期されます)。
今回の旅行には、PCは持って行かずにiPadmini(256GB)だけを持っていきました。
1日目の流氷クルーズ等の撮影枚数が確か1,800枚くらいだったような記憶があります。128GBのSDカードですと、大体RAWが1枚50MBとして2,500枚程度までしか撮れません。
撮影した1,800枚の内、数百枚は連写の中の似たような写真や明らかなピンボケ、ブレた写真がありますので、結構な枚数を削除できると思い、夜寝る前に写真の整理をして翌日2度目のクルーズ撮影に備えようと思っていました。
思っていたのですが、予想外に夕食時に同じ宿泊客の方々と会話が弾んでしまい、夜中まで写真の整理ができなくなってしまいました(笑)
iPadの容量にそこまで余裕が無く、とりあえず撮った全ての写真を取り込むということができずに、仕方なく容量に余裕のあった普段写真管理には使わないiPhoneに一時的に取り込むことで対処しました。
iPhoneでもLightroomが使えるのですが、宿にWiFiが無かったので容量的にその場でクラウドへアップロードすることはできませんでした。
なのでバックアップに若干不安があったので、スロット1のデータのみを消し、スロット2は取り敢えずそのままの状態にして翌日の撮影に臨むことにしました。
スロット2も後数百枚は撮れるはずですし、満杯になった時の挙動も知らなかったので、そのままスロット1、2同時記録の設定のままにしておきました。
そして翌日の撮影に夢中になっている最中、今回の撮影旅で最も自分の近くでオオワシが魚を捕らえようと海へ飛び込むその瞬間に、「SDカードが一杯で撮影できません」という旨のメッセージが出てシャッターが切れなくなってしまいました・・・。
スロット2のデータが一杯になってしまったのです。一瞬パニックになりました。
急いで対処法を考え、カメラの設定からデータ書き込み設定を「スロット1」のみにすることで撮影を再開することができました。
ですが、最大のシャッターチャンスを逃したショックがずっと頭に残ることになってしまいました。
またその後の撮影はスロット1のみでバックアップが無い状態の撮影になりますので、とにかくデータが消えてしまう等のトラブルが起こらないよう祈りながら、ずっとソワソワして落ち着かない感じになりました。
今後は対処法として、
- 容量に余裕のあるPCを持っていく
- iPadを大容量に買換え
- SDカードの容量を大きくする
- SDカードの予備を用意する
- その場でバックアップできるHDDやSSDを用意する
旅行時はこのいずれかを必ず行うようにしようと考えています。
カメラの撮影設定
これは、流氷クルーズの早朝便の時に思ったことです。
私は基本マニュアルモードで撮影をしているのですが、日中の流氷クルーズではどの方角も比較的明るく、また流氷がレフ版のように光を反射してワシの腹部も明るくしてくれるので設定に苦労するようなことはありませんでした。
ですが、早朝便になると大まかですが、
- 順光で被写体を鮮明に写したい
- 逆光で朝焼け空にワシのシルエット等を写す
- 中間のサイド光の状態
こんな状況があり、更にワシ達の行動によって、
- 飛んでいる
- 留まっている
これらを組み合わせた自分の撮りたいシチュエーションによって、露出設定が目まぐるしく変わる環境になってしまいます。
自分が船の左右を行ったり来たりする度にシャッタスピード上げて、ISO上げて・・・などと凄く慌ただしかったことが印象に残っています。
なので、今思い返すと"α7Ⅲ"の撮影設定登録(モードダイヤルの1、2)を使えば良かったなと思いました。
現在私は、野鳥撮影を重ねるにつれて撮影設定1に飛んでいる鳥用、2に留まっている鳥用といった感じで設定を登録しています。
それを羅臼での撮影時に使いこなせていれば、もう少し楽になったなと思っています。
かんじき(スノーシュー)が必要かも
野付半島に行ってトドワラを目指して歩いた際に痛感しました。
野付半島のネイチャーセンターでレンタルすることができたのかもしれませんが、無謀にも私は前述のソレルのカリブーだけで歩いていきました。
半分ほどは遊歩道が整備されているのですが、ところどころ十数センチ程度の雪が積もった場所を歩かなければいけなかったように記憶しています。
大した距離ではないのに一歩一歩進むのが非常に大変でネイチャーセンターからトドワラまで30分くらいかかってしまったような気がします。
スノーシューは高額で嵩張りそうなので、わざわざ買うつもりはないですが、安いかんじき等はホームセンター等でも売られているようなので、次回北海道に行く際は検討してみようと思います。
まとめ
長くなりましたが以上となります。
ざっとまとめますと、
- カメラは結露対策を。カメラダウンカバーが便利!
- 手足の防寒が重要。ソレルのブーツがおすすめ!
- 強風で飛ばない帽子も大事!
- 保温性の高い水筒も必須!
- 旅行中の写真データのバックアップを考える!
- 流氷クルーズ早朝便は露出が目まぐるしく変化する!
こんな感じです。
参考になりましたら幸いです。
※続きはこちら。ようやく撮影記に突入です。
※各ページへのリンクまとめはこちら。
コメント
はじめまして。この冬に羅臼にいく計画をしており記事を拝見しました。準備段階から書かれており大変参考になります。ありがとうございます。
さて、質問をしたいのですがよろしいでしょうか。Kaniの防寒カバーを購入しようと考えていますが、購入サイトのサイズ感がざっくりしていて良くわかりません。
私もソニーのカメラを使っていまして、ご使用されたサイズ(L,M,S)を参考にさせていただきまたいと考えています。
突然のメールで大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
Penpen様
コメントありがとうございます。
冬の羅臼楽しみですね。ご参考になったようで嬉しいです。
さて、ご質問の件ですが、私がダウンカバーを購入した当時はサイズや色の選択肢が無く、本コメントで初めてサイズが追加されていることを知りました。
少し現存の型番(AC-004)で調べてみましたが、どうやらMサイズ⇒Lサイズの順に発売されているようなので(デジカメWatchの記事を参照しました)、恐らく私が購入したのはMサイズ相当だったのかなあと思いましたが、一方で販売終了になっていますが、ヨドバシで私が購入した型番(AC-011)のページが残っており、そこのざっくりとした数字を見るとLサイズに近いような気もするし…といった具合で明確な答えが出せないでいます。
もしお時間いただけるなら実物を計測してみましょうか?
ちなみに、私でしたら大は小を兼ねるで今だったらLサイズを選ぶかなという気がしております。AC-011ではSEL100400GMのレンズを伸ばした時は鏡筒の先までは覆えていませんでしたし、元々ジャストフィットさせて取り回し良く扱う製品とは捉えておらず、大雑把に覆って強引に手持ちで撮影するという使い方を私はしていたので、多少大きい程度であればあまり気にならないかと(余分な部分が視界を多く遮ったり、ファインダーやモニターを見えづらくするといった懸念はあるかもしれませんが)。また、私は使用していませんが、カメラも縦グリップを使う場合はLサイズ推奨とも書かれていましたので、その点も考慮の材料になるかと思います。
尚本製品、私は大変気に入って重宝しているのですが、本投稿の翌年に再度羅臼に行った際に、同行する友人に勧めて購入させたのですが、その友人は結局カバーが邪魔ということで途中から外して全く使用していませんでした(笑)
なので、結構好みの分かれる製品かと思いますので、万人に勧められるとは言えない点をご了承ください。(その年は釧路の方にも行って、-15℃の中三脚に据えて撮影をする場面もあったので、私としては尚更買っておいて良かったと思えたのですが、そんな場面でも友人は使用していませんでした。)
ご丁寧にご回答いただきありがとうございます。以前はサイズがなかったのですね。いろいろお調べいただきましてお手数をおかけしました。さて、α1で撮影された記事も拝見しましたが、α1にその防寒ダウンカバーをかぶせての感じを教えていただくことは可能でしょうか。
実は私はα1を持っていく予定でして、参考になると思った次第です。再度、お手を煩わさせてしまいますが、お時間のある時で構いませんので何卒よろしくお願い致します。
Penpen様
α1での撮影ですが、実際に2022年の2月に羅臼クルーズで使用しました。本ページの着用例の写真はα7Ⅲですが、本体サイズはほとんどα1と変わりませんので、着用した感じはほとんど変わらなかったと記憶しています。
同じくらい緩々で、ページ記載の使用方法と同様にファインダーと液晶画面どちらも使えるように背面カバーは開けたまま使っていました。
2020年の時と違うのは、一脚と照準器も付けていたことです。照準器は別ページで紹介しているSwift2で、ホットシューに装着してカバーの上部の穴から出して使用していましたが、照準器取付の高さを嵩まししていなかったので、本ページでも懸念していた通り、時々カバーの上部を手で抑えつけないと、照準器の視界が遮られて見えづらかったような気がします(記憶が曖昧で断言できず申し訳ございません)。
また、α1では160GBのCfAの容量があっという間に尽きたことを覚えています。私は最近640GBのものを購入しましたが、2022年当時にこの製品があれば安心して撮影に臨めたのになあと思っています(人によっては640GBでも全然足らないかもしれませんが)。
余談ですが、2020年は早朝クルーズでしたので、薄明の段階では135GMを使用し、明るくなってから100400GMに付け替えました。また、α7Ⅲにも1224GMを付けて風景を撮っていましたが、そちらは防寒対策をせず裸で使っていたかと思います。
ご参考になれば幸いです。
ご丁寧にありがとうございます。サイズ感がつかめました。
また、照準器を持っていくつもりですので、注意したいと思います。
私はα1にしてから、どうしても撮り過ぎの傾向でして、ちょうどCFA を物色していました。
レンズや装備を準備し始めたところですが、今から待ち遠しいです。
いろいろアドバイスをいただき本当にありがとうございました。