【撮影記】真冬の知床羅臼へ野生動物を撮りに行く④【オオワシとオジロワシ】

魚を捕らえたオオワシ撮影記
撮影記

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今回のページは下記リストの下線部分に該当します。

いよいよ今回の旅行のメインイベントである、オオワシとオジロワシを撮る為の流氷クルーズです。

午前中は天候に恵まれ、無事出航できました。

※前回記事はこちら。

※各ページへのリンクまとめはこちら。

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出航までの流れ

今回予約したのはクルーズツアーの2便(9:00発)でしたので、宿で朝食を取った後に8:30に羅臼港に着くよう向かいます。

宿を出る前に許可を取り、給茶機から水筒に暖かいコーヒーを入れさせてもらいました。船には飲み物が無いので何かしら用意していくことをお勧めします。

港内では、Googleマップで「羅臼観光船乗り場」と表記されている場所を目指してください。そこに車も停められます。

※港集合としか言われていなかったので、この日は勝手がわからず遠い場所に車を停めてここまで歩くことになってしまいました。

船の目の前に車が停まっていてスタッフの方がいると思いますので、予約者名を伝えて支払、乗船となります。

ここで想定外の出来事が!

なんと私の予約は、撮影コース(所要時間2時間30分)ではなく観光コース(所要時間1時間)になっていました(笑)
大誤算です・・・。

初めての超望遠レンズ、船上での撮影、猛禽類撮影と、初めてづくしだった状況に、撮影時間の短縮という不安要素まで追加されてしまいました。

実は今回webサイト等は経由せず、人づてに予約をしてもらったという経緯があったのでこのような手違いが起きてしまいました。

通常はこのようなことは起こり得ないかと思います。

出航

想定外の事態はありましたが、とりあえず流氷地帯に向けて出航です。幸い天気には恵まれました。

使用機材は、ほぼ全ての写真をカメラ本体がSONY"α7Ⅲ"、レンズが"SEL100400GM"の組み合わせで撮っています。
異なる場合は写真にコメントしております。

三脚や一脚は持ち込まず、全て手持ちで撮影しました。全てRAWで撮り現像しています。

羅臼岳と羅臼町
100mm F5 1/2000秒 ISO500

出航して一枚目、羅臼岳と街並みを撮った写真です。EXIFを見ると8:46に撮ったようなので、予定より早く出航したようです。

凍った海面と国後島
400mm F5.6 1/2000秒 ISO500

国後島でしょうか、遠くに見えています。海面は薄い氷で覆われていて非常に綺麗でした。

ワシの撮影を見据えて、シャッタスピードを1/2000秒にした状態でISO感度がどれくらいにすべきかを見ながら撮っていたかと記憶しています。

氷が張った海面
145mm F5.6 1/1250秒 ISO500

手前の海面を写しました。広角レンズでも撮ってみたい景色です。

羅臼岳とカモメ
185mm F5.6 1/1250秒 ISO500

振り返って羅臼岳を背景としたオオセグロカモメです。こんな感じで景色とワシをセットで写したいなとイメージしながら流氷地帯に着くまでカモメで練習していました。

カモメは港からかなりの数が船について飛んできています。魚が貰えることがわかっているんですね。

羅臼港を発ってカモメの大群がついてくる
RX100M5A 35mm判換算25mm F7.1 1/200秒 ISO100

この写真だけがSONYの高級コンパクトデジカメ"RX100M5A"で撮った写真です。
沢山のカモメがついてきていることがわかるかと思います。

広角レンズならではの伸びやかさが感じられて何気にお気に入りの写真です。

魚を奪い合うカモメ
400mm F5.6 1/1250秒 ISO500 トリミング

流氷地帯に向かう途中でも、クルーズ船のスタッフの方が海へ魚を投げていて、それをカモメが奪い合います。

相手を踏みつけながら奪おうとする様子が撮れました。食べる瞬間はカモメも獰猛に見えますね。

魚を取り囲むカモメ達
145mm F5.6 1/2000秒 ISO400 トリミング

魚を獲れても凄い数のカモメに包囲されています(笑) 逃げ場が無さそう・・・。

こんな感じで流氷地帯に着くまでも楽しめました。

流氷地帯とクルーズ船
143mm F11 1/640秒 ISO400

流氷地帯が見えてきました。美しい光景です。恐らく写真に写っている船が撮影コースの船なのだと思います。

オジロワシが狩る瞬間
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800

到着して早速オジロワシが飛んできてくれました。魚を獲ろうと海面に脚を降ろす瞬間です。

焦点距離400mmでノートリミングでこれくらいの写りでした。

オジロワシが魚を獲った場面
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800

無事魚を獲りました。

撮影中は撮影結果を確認する余裕がなかったので、とにかくフレーミングに集中してピントが合ったら連写をしていました。

ワシ達は警戒心が強くカモメの様に簡単に近くには来ません。時間が経つにつれて少しずつ近い距離でも魚を獲りに来るような印象でした。

オオワシが魚を獲った場面
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

念願のオオワシです!いきなり魚を捕らえる場面を見せてくれました。

着氷しようとする飛翔姿勢が優雅で早々に気に入った写真を撮ることができました。

着氷したオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

そのまま着地した写真です。カッコいい。
また流氷の隙間のエメラルドグリーンの色合いも凄く綺麗な光景だなと思いました。

ちなみに長編6000ピクセルを2300ピクセルまでトリミングしています。

魚を奪いに来るオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

着氷後、間髪入れずに他のワシ達が魚を奪いにやってきました。

いきなり今回の旅行で最大の目的「激しく争うワシ達」の写真を撮るチャンスの予感です。

この時点で、"UHS-1"という書き込み速度の遅いSDカードを使っていることを後悔しました(笑)
決定的瞬間を逃さないよう、考え無しに連写し続けることはしないように気をつけました。

オオワシとオジロワシのバトル
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

最初に獲ったオオワシは魚を奪われ、また更にそれを奪いにオジロワシがやってきます。

オオワシとオジロワシのバトル
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

オオワシが返り討ちにします。

これらのバトルの更に決定的な瞬間は、電子写真集の方にまとめております。

もしよろしければそちらもご覧いただけると幸いです。

オオワシとオジロワシのバトル
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

ひとつひとつの仕草や表情がカッコいいです。

オオワシとオジロワシのバトル
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

更にオオワシが威嚇し、オジロワシは飛んで逃げようとします。オオワシの顔が怖すぎます。

オオワシとオジロワシのバトル
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

オジロワシは逃げようとしたのですが、オオワシの翼にひっかかって飛べませんでした(笑)
そしてオオワシはカメラ目線でどや顔(笑)

ユニークな仕草もたまりません。

魚を獲ったオジロワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800

続いてオジロワシのカッコいい場面を。上はノートリミングです。

こちらを睨むオジロワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

トリミングすると迫力満点の表情が垣間見えます。

魚を掴んで飛び立つオジロワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

飛び立つ姿はやはり良いですね。

オオワシとカラス
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800

オオワシのお零れをカラスが食べていました。ノートリミングです。

至る方向で、色々な行動・表情を見せてくれるので、同じ船に乗っていても人と写真が似通ってしまうということが予想以上に少なさそうだなと思いました。

それが全然飽きず、また来たいと思わせてくれる魅力なのかなと感じました。

魚を捕らえたオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

これが最も近距離かつ鮮明に魚を獲る場面を捉えることができた写真です。
トリミングしていますが、トリミングしていない状態でオオワシの翼が長編の2/3くらいを占めくらいの大きさでした。

更にトリミングした一連の別カットがこちらです。

魚を捕らえたオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

これで長編ほぼ4000ピクセル残っています。1000万画素は残っているので印刷も十分できるのではないかなと思います。

オオワシの争っているシーンと魚を掴んでいるシーンが撮れたので、とりあえず最低限の目標は達成できたなと思えました。
後で写真を見返してホッとしました。

魚を捕らえたカモメ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800

カモメも負けじと魚を捕らえます。飲み込めるのかな(笑)

小さな氷に密集するオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

小さな氷に三羽も留まろうとしています。

この後の一番左のオオワシの表情がツボりました。

小さな氷に密集するオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800 トリミング

「なんだコイツ」とでも言いそうな表情がたまりません。本当にいつまで撮っていても飽き無さそうです。

羅臼岳とオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO800

雪山とオオワシ。こちらも当初目標としていたシチュエーションの一つですね。
最高ではないですが、まあ及第点かなと思っています。

トリミングはしておらず、こんな感じで風景とワシを絡めるなら400mmぐらいまでが最長かなと思いました。

近距離で撮れた時は全身を大写しすることもできますし、クルーズ船においては400mmは汎用性の高い焦点距離かなと思いました。

ワシの顔のアップ等、パーツに寄って撮りたい場合には更に長い焦点距離が必要だと思います。

カラスを従えるオオワシ
282mm F5.6 1/2000秒 ISO400 トリミング

オオワシがカラスを子分として従えているかの様に見えました。

三角形に位置するオオワシとオジロワシ
259mm F9 1/640秒 ISO400 トリミング

それぞれのワシの目線を辿ると三角形になるのが面白くて撮りました。

この辺からワシ達の活動が若干落ち着いてきたので、F値を上げて風景等にもよりピントが合うようにしていったのだと思います。

オオワシとオジロワシと広大な流氷
400mm F11 1/1250秒 ISO400

どこまでも続いていくような流氷の光景が本当に綺麗でした。

翌日痛感しましたが、天候次第でこの流氷達は一日で流されて景色がガラッと変わってしまいます。
二度と同じ光景は見られない貴重な景色だったのだなと後になって思いました。

魚を奪い合うカモメ
194mm F7.1 1/1250秒 ISO400

カモメは船の目の前でも気にせず魚を奪い合っています。カモメは最後までずっと活発でした。

翼を広げるオジロワシ
400mm F8 1/2000秒 ISO500

羽を綺麗に伸ばしているオジロワシです。太陽も大分昇り、撮影の設定もかなり楽になっています。

流氷がレフ版代わりになってくれて容易に明るさを確保できます。

こちらをみるオオワシ
400mm F11 1/1600秒 ISO500 トリミング

オオワシの正面顔です。

強大な氷の上を飛ぶオジロワシ
400mm F11 1/1600秒 ISO500

写真左の様に、非常に巨大な氷塊がありました。ワシは高い所に留まろうとするので、人気のスポットでした。

巨大な氷と飛び立つオジロワシの姿、更に奥に薄っすら見える雪山と見応えあって気に入っております。

留まっているオジロワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 微トリミング

ここが今回の旅行で最もオジロワシに接近できた場面だったかと思います。

飛び立とうとするオジロワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 

トリミング無しです。飛び立とうと踏み込んだ瞬間。

飛び立ったオジロワシの脚
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 

オジロワシの鋭い爪が良く見えました。

この写真よく見てみると、オジロワシの奥の翼に自身の頭のシルエットが写っていますね。
お気に入り度が増しました(笑)

飛び立ったオジロワシの背中
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 トリミング

オジロワシの大きな背中です。

二羽のオジロワシ
318mm F5.6 1/2000秒 ISO400 

右のオジロワシの頭部が外ハネになっていて洒落ています。

留まっているオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 トリミング

オオワシの横顔。横顔は精悍です。

飛び立つオジロワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 

クルーズ後半は先ほどの巨大な氷塊を中心にゆっくり周っていました。

再び氷塊からオジロワシが飛び立ちました。

この方角だと海面がキラキラ反射して非常に綺麗でした。ですが同時に目の日焼けも凄かったです。

次回行く時は、日焼けにも効果のある目薬等を持っていくつもりです。

飛んでいるオオワシ
400mm F5.6 1/2000秒 ISO400 トリミング

オオワシの後ろ姿です。

あっという間に一時間が経ち、港に戻る時間になってしまいました。

流氷地帯を後にする場面
175mm F11 1/2000秒 ISO400 

流氷地帯を後にします。カモメ達はまた船についてきて一緒に港に戻ります。

左下の撮影コースの船はまだ暫く残るのでしょう。まだまだ撮っていたかった(泣)

ということで一回目の流氷クルーズツアーの様子は以上となります。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

幸運にも、一番撮りたかったワシ達の争う様子が早々に撮れ、その他の撮りたかったシチュエーションも概ね撮れたので、予定の半分以下の撮影時間しかありませんでしたが、大満足な結果となりました。

最新のデジカメであれば、フラッグシップ機でなくても十分撮影が可能だということがわかってホッとしました。

後は、「朝焼けとワシ」というもう一つの目標を撮るべく、明日の早朝便に懸けたいと思います。
早朝便は撮影コースしかないはずなので、今日のような手違いはまず起こらないはずです(笑)

そして、本来はこの日の15時以降に暴風雪の恐れがあると前日の天気予報で確認していたので、午前一杯かかる予定だったクルーズツアーの後は大人しく宿近辺にいようかと思っていたのですが、折角早くクルーズツアーが終わったので、急遽撮影ポイントを調べて野付半島に行ってみることにしました。

ということで次回は「野付半島」での写真をご紹介します。

※各ページへのリンクまとめはこちら。

※今回の撮影機材はこちら。

今回の旅行で撮影したお気に入りの写真をまとめた、電子写真集をAmazonのKindleで出版しました。

Kindle Unlimitedに加入されている方は無料で読めますので、是非ご覧いただけますと幸いです。

コメント

  1. Pen pen より:

    はじめまして、この冬に羅臼に行く計画をしており、記事を拝見しました。計画段階から書かれており、大変参考になります。ありがとうございます。
    さて、質問をしたいのですがよろしいでしょうか。冬の北海道の撮影は初めてでして、結露対策を気にしています。
    記載のありましたKaniの防寒カバーを購入しようかと思いましたが、購入サイトをみてもサイズ感がざっくりしていて、今ひとつわかりません。
    そこで、ご使用されたカバーのサイズ(L,M,S)を教えていただけますでしょうか。私もソニーのカメラを使用してますので参考にさせていただきます。
    突然のメールで恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

    • diuao より:

      Penpen様

      コメントありがとうございます。
      撮影記の②準備編の方のコメントへ返信しましたので、そちらご覧いただければと思います。

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