今回のページは下記リストの下線部分に該当します。
あっという間に撮影旅行の最終日です。
今回の「早朝の流氷クルーズ」が自分の中での旅行のメインイベントのつもりでした。
また前日の朝から昼にかけてのクルーズツアーと比べて、早朝の暗い環境で撮影設定も頻繁に変える必要が生じる難しい状況になると思われましたので、初めて一眼カメラを買ってから半年以上経ち、軽い今までの集大成的な気持ちでもありました。
前回のページのとおり、午後から天候が荒れだしたため通常の予定より1時間遅い出航、かつ流氷が一夜にして流されてしまったため港付近での撮影となってしまいましたが、何とか催行されましたのでその時の写真を貼っていきます。
※前回記事はこちら
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流氷クルーズツアー1便(早朝便)
前日にも流氷クルーズツアーに参加しましたので、出航迄の流れでもう迷うことは無く港に到着することができました。
通常より1時間遅い6時に出航です。
空は既に真っ暗ではなく青暗い感じになっていました。また、軽く雪が降り続いていました。
出航時に、流氷が前日の悪天候で流されてしまった可能性と波の状況から沖合には行けない旨のアナウンスがありました。
前日に流氷地帯で撮影できていて本当に良かったなと思いました。やはり1日だけの予約ですと心許無いです。
早朝の海に漂うカモメです。撮影時間を見ると5時55分となっていました。こんな青暗い感じで出航です。
今回の当初の作戦は、日が昇ってある程度明るくなるまでは焦点距離135mmでF値1.8(SEL135F18GM)という明るい単焦点レンズで風景とワシ達を絡めた写真を撮ろうかと思っていました。
ですが流氷地帯に行けなくなってしまいましたので、ワシが最初からは近くに居らず、船の方に集まってくるのに時間がかかってしまいそうでしたので、数枚だけSEL135F18GMで撮った後は早々にSEL100400GMに付け替えました。
出航していく船と海の様子です。飛んでいる鳥はカモメのみです。
猛禽類は警戒心が高く、段々と姿を現してくるみたいです。
早朝の静けさを感じさせる羅臼町の町並みと船です。少しずつ明るくなってきました。
SEL135F18GMの出番は以上です。ここからは全てSEL100400GMで撮影した写真となります。
オジロワシです。最初はかなり遠い距離で様子を伺うように飛びまわっています。
ISOをなるべく1600以下に抑えたいなという思いがあってシャッタスピードを通常(自分は1/2000秒)より遅めにしています。
歩留まりは当然前日より悪かったと思います。暗くてピントが微妙に合っていなかったり、解像感に乏しい写真も多かったです。
鮮明なワシの写真が撮りたい場合は素直に2便(9時出航)をお勧めします。1便の前半は雰囲気重視の写真を撮るしかないかなと思いました。
ただ個人的にはこのような淡い色合いの空とオオワシやオジロワシを組み合わせた写真を撮りたかったので、どちらかの便しか乗れないとなったら1便の方を選択するかもしれません。日が昇ってくれば鮮明な写真を撮るチャンスもあると思いますしね。
この時間帯で難しかったのは、順光で撮るのか逆光で撮るのかで目まぐるしく撮影設定を変える必要があることでした。
ずっと順光側でしか撮らないなどと決めて陣取るなら関係無いですが、私はどうしても色々なパターンの写真を撮りたくなってしまいます。
ちなみに上の写真は順光側です。
逆光はこちら。
船の一方に立つと一つ前の写真のような景色、もう一方側に立つとこのような光景が広がっています。
当初はこのような朝日と朝焼け空にオオワシやオジロワシを絡めて撮ろうと思っていたのですが、実際にやってみて気づいたことは、撮影序盤はこの黄色い空の部分にワシ達が留まって飛行することはほぼ無いということでした。
朝焼け空とカモメを絡めるのは簡単でしたが、ワシが獲物を探している時はもっと高く雲が分厚いところが背景になるような場所で帆翔しているので、獲物を狩りに飛び込んでくる瞬間でしか最初はチャンスがありませんでした(日が高くなるにつれて少しずつ黄色い空と絡めることができました)。
こんな感じで朝焼け空よりも高く暗い部分で飛んでいることがわかるかと思います。なお、これでもかなり低く飛んでいるほうです。
最初はなかなかチャンスが来なくて結構焦りました。
序盤は水面にまで飛び込んでくる瞬間を捉えるしかありませんでしたが、まだワシ達もあまり集まっておらず、チャンス自体が少なかったです。
今度は順光寄りの写真です。トリミングしていません。
多分逆光側で撮っていたら不意に近くをオジロワシが飛んできたのでそのままの設定で撮ったのだと思います。
暗い環境だとこんな感じの解像感に乏しい写真が多かったです。
カモメが大きな魚を丸呑みしようと試行錯誤していました。
何度か飲み込もうとして一旦出してということを繰り返していました。
雪は降ったり止んだりといった感じでした。
中途半端な降り方でしたので、センサーダストっぽく見えちゃったりもして難しかったです。
なお最初はオジロワシばかりでなかなかオオワシがやってきませんでした。より警戒心が強いのですかね。
魚を捕らえました。
ただし本当に港付近での撮影でしたのでどうしても防波堤等の人工物が写り込んでしまいやすいです。
ですが、港付近のおかげで羅臼岳を背景にしやすかったのは逆に凄くプラス材料だったなとも思いました。
明るくなってくると共に少しずつ鮮明に写るようになってきました。
握り締めたグーの脚が可愛い。
安定してフレームに収め続けるのは難しいですね。こんな感じで見切れてしまった写真も多かったです。
ようやく朝焼け空を背景にワシを写せるようになってきました!神々しいです。
羅臼の町並みとオジロワシ。獲った魚を見ています。
若干前後させている部分もありますが、基本的には撮影順に写真を貼っていますので、空を撮って、海面付近を撮ってと状況がころころ変わっていることがわかります。
金色に輝く海が非常に綺麗でした。魚を捕らえようとするオジロワシをシルエットで。
狩りは失敗。空中に浮きあがった魚が写っています。
海の色の変わり目が印象的でした。翼を伸ばし切ったシルエットもカッコいい。
この写真、オジロワシの左下に小さな彩雲が写っているのわかりますでしょうか。
正直撮影時は彩雲の存在に一切気づいていませんでした(笑)
嬉しいサプライズです。
この写真ではオジロワシの翼のすぐ下に彩雲が写っています。
道東旅行をまとめた写真集では、オジロワシと彩雲が重なった奇跡の瞬間の写真を採用しました。
言われなきゃ気づかないくらいの小さな彩雲ですけどね(笑)
オジロワシを正面から撮ることができました。
ただ、トリミングして細部まで見られるような写りではありません。
空が白飛びしないようにかなりアンダーで撮っているので、ワシを明るく現像しようとするとかなりノイズも乗ってきてしまいますし、この撮り方では仕方ないことかと思います。
オジロワシが魚ゲット。トリミング無しでこれくらいの大きさで写ります。
オオワシも魚ゲット。何気にこのページ内ではオオワシ初登場です(採用していないだけでもっと前から出現はしています)。
こちらもノートリミングです。
方向によってはかなり明るくなってきました。
多分前の写真と同じ連続写真の一部だと思います。
場所が変わると空の色もガラッと変わって飽きません。
こんな感じを正面から撮れたら更に最高だったんですけどね。正面から撮れた写真は少なかったです。
オジロワシのダイブ。海面の色が本当に綺麗でした。
どうも雪の写り込みが悪い方向に作用している気がします(笑)
天からやってきたかのような神々しいオジロワシ。格好いいです。
参考までに全体が写った情景はこんな感じです。背景選びには気を使います。
二羽のオジロワシ。このように複数羽写ることを考えると絞りを絞っておきたくなります。
それに加えて、多分当時の私は雪山(羅臼岳)を背景にして、ある程度情報を残しながらワシを撮りたいと思って絞りを開放にはせず撮っていたのかと思います。
カモメは船の目の前でもバンバン飛び込んできます。
ワシ達もここまで近くには来ませんが、時間の経過とともに少しずつ距離が縮まってきている気がします。
焦らなければシャッターチャンスは必ず来ると思います。
前半に飛ばしすぎてバッテリー残量が少ない、というようなことが起きないように気を付けましょう。
ちなみにα7Ⅲでしたら、一回のクルーズツアーだけでは全然バッテリー残量を気にする必要はないかと思います。
私はツアーが終わった後の撮影を含めて、1日1個で平気だったように記憶しています。
山の斜面と同じ角度で急降下するオジロワシ。
斜線の配分が何となく気持ち良いと感じた一枚です。
羅臼岳を背景に三羽が戯れて飛んでいます。
明らかに三羽一緒に行動していたように見えました。
うっすら山が見える感じがお気に入りです。
この写真なんかが当初から抱いていた雪山とワシというイメージに近いです。
思い描いていた写真が撮れて満足です。
もう1枚。山あいを翔け抜けている感じのオジロワシです。
今度は羅臼の町並みとオオワシです。もうかなり明るいですね。
オオワシの狩り。
この日は風向きも悪かったのか、後ろ姿の飛び込みばかりだった気がします。
船員の方も「今日は全然駄目だなあ」と度々ぼやいていました。
それでも上空を見上げるとかなりのワシ達が集まってきていることがわかります。
この段々と盛り上がってくる感じが、現地にいると自分も非常にテンションが上がり、飽きることなく撮影に集中することができました。
ですが、この最高に盛り上がってきたタイミングで悲劇がおこりました(笑)
事の顛末の詳細は撮影記の「準備編」にて述べていますが、一番盛り上がって今までで一番近い距離でオオワシが海へ飛び込もうとするその瞬間に、メモリーカードが一杯になって撮影できなくなってしまいました。
急ぎα7Ⅲに挿している二枚のSDカードの内、空きの有る一枚にだけ書き込むように設定することで、撮影を続行することはできましたが、最大のシャッターチャンスを逃したショックをしばらく引きずっていたことを覚えています。
途中、防波堤に船を寄せて地上に留まっているワシ達を撮らせてくれる時が何度かありました。
急ぎシャッタスピードを下げ、低ISO感度で撮るよう試みます。
ただし、この反対側では引き続きワシ達が海へ飛び込んだりしていますので、どの場面を撮りたいか、立ち位置をどうするか、如何に多様な場面で撮り逃さないような設定で撮るか等の判断は自分次第となります。
私はこれまでISO1600前後で撮っている写真が多かったので、この場面では飛んでいる被写体へのチャンスを逃してしまってでも、低ISOでの写真も撮っておきたいと思いましたので、このような設定にしました。
ちなみに船の二階部分から撮っています。一階に居ると防波堤しか見えません(笑)
基本的に早朝クルーズ中はずっと二階に居たように記憶しています。
私は普通に被写体に近いサイドに立って撮っていましたが、船の中央部が少しだけ高くなった台があったような記憶がありますので、そこに立つことで、もう少し上の目線で、防波堤部分をより排除して撮ることができたかもなと思ってます。
今までとは少し違う、コミカルな動きや表情を撮るチャンスです。
流氷地帯であれば流氷に留まっているワシをいくらでも撮るチャンスがあるかと思いますが、今回の状況だと留まっているワシは限られたチャンスしかありません。
この場面では特にテレコンが欲しいなと感じました。更に顔に寄った写真等バリエーションを増やしたかったです。
口からビームでも出しそうな表情(笑)
空の色も淡く不思議な色合いなので、オオワシが作り物のようにさえ見えます。
空を見上げて物思いに耽るかの様な何とも言えない表情がお気に入りです。
やはりもう少し高い目線から撮りたかったですね。
そして急に飛び立ちました。幸い翼の先以外はブレずに止まって写すことができました。
ただ、連続写真の中では全体がブレてしまっている写真も混ざってましたので、ギリギリのシャッタースピードだったかなと思っています。
ちなみに、個人的には頭と身体は止まっていて、翼だけがブレているような写真の方が動きも感じられて好みです。
これしかないシャッタースピードで撮れたんだなという満足感を得られることも一因です。
結果として、理想的な朝焼け空を飛ぶオオワシを鮮明に撮ることができて大満足な写真となってくれました。
同じような場所でオジロワシ。着地の瞬間だったかと思います。
カメラ目線。よく見ると魚の身を食べています。
ここで一旦船が防波堤から離れました。
再び海上のワシを狙って撮影です。オオワシの背中。
もう昨日とほぼ変わらないような明るさの環境になっていますね。
これがこの日一番近くに飛び込んだのを撮れた写真だと思います(前述の撮り逃したオオワシはもっと近かったですが)。
トリミング無しです。
このオジロワシは非常にかっこよく見えます。海面の色も若干朝焼けの名残がある感じで気に入っています。
まだ雪がちらついています。これもトリミングしていないので、ワシ達との距離感がどんどん詰まってきているのがわかるのではないでしょうか。
先ほども述べたように、焦らなければ必ずシャッターチャンスは来るということですね。
羅臼の断崖とオオワシ。港付近での撮影ならではの光景かと思います。
オジロワシ二羽です。
再び船が防波堤に寄せられましたので、防波堤側を撮影します。
微妙な空の色合いがお気に入りです。少し雲の質感なども出したかったのでF8で撮ったのだと思います。
やたらと可愛く見える空を見上げるオジロワシです。黒っぽい方は若いオジロワシです。
これは複数羽写っているので、絞りを開放にせずF値8のままで撮り続けています。
これは結構トリミングしていて、実は写真右側には更にワシ達がいます。
右側のワシ達も含めるとこんな感じです。右から二番目のワシはオオワシの若鳥だと思います。
先ほどより更に絞って撮っていますね。
オオワシの若いのが飛び立ちました。実際は更に右側にいたオジロワシが先に飛んでいき、それに続くようにオオワシも飛んでいった場面です。
撮りながらシャッタースピードを上げていくか非常に迷ったのを覚えています。結局は1/800秒なら止まるコマもあるだろうとそのままで撮りました。
飛び立ったオオワシを追尾して撮り続けました。コマによってはやはりブレてしまっている写真もありました。
なお右側で見切れているのが、先に飛び立ったオジロワシだと思います。
おそらく先行したオジロワシです。
これはまた別のオジロワシだと思います。羽毛のまだらな感じが無く成鳥かと思われます。
個人的には、ワシ達との距離が近づいてきてまだまだこれからと思っていたのですが、ここで残念なアナウンスが!
まだ撮影開始から1時間30分も経っていない(通常2時間30分)のですが、今日はあまりにも状況が良くないためここで引き上げるとのことです。
残念ですが仕方ないですね。通常より早くに終了したので、料金の半額を返金するとのことでした。誠実な対応だと思います。
羅臼町での撮影
宿に戻って朝食を食べようと思い、港から車で山沿いの道を通った際に、道路沿いの木にオオワシとオジロワシが沢山留まっていることに気づいてしまいました。
先ほどまで海で狩りをしていたワシ達が山に戻ってきているようです。
急遽車を停めて再度撮影です。
こんな感じで木の至るところにワシが留まっていました。
本当に羅臼は凄い町だなと思いました。
オオワシとオジロワシが同じ木の枝に留まっています。
そして港のクルーズツアーが終わったばかりだからなのか、まだまだ山に向かって飛んでくるワシも、逆に木から飛び立つワシもチラホラいて、上空が凄いことになっていました。
巨大なワシが上空を飛んでいて、どんどん数が増えていきます。
最後はオオワシとオジロワシが渦を巻いて帆翔する素晴らしい光景を目にすることができました。
時間は予定より短かったですが大満足でワシの撮影を終えることができました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回だいぶ削ったつもりだったのですが、64枚も写真を使っていました。
最後までご覧いただきありがとうございます。
当初のプランでは2日間で5時間くらいワシの撮影ができるつもりでしたが、結果として前日のトラブルも含め2日間で予定の半分の2時間半程度しか撮影時間がありませんでした。
それでも今回のページで大量に写真は使いましたが、基本的に写真集に採用した写真は選ばないようにすることができたくらい、様々なバリエーションで気に入った写真を撮ることができて満足度が高かったなと思っております。
ということで予定より早くクルーズツアーが終了したため、急遽帰りの飛行機に乗るまでに空港近くで動物を撮影できそうな場所を調べて行くことにしました。
次回は、中標津町の丸山公園で撮ったエゾリスやシマエナガの写真を紹介します。
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※撮影に使用した機材はこちらです。
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