私は三脚使用時に、冒頭の写真のジンバル雲台や自由雲台、また写真には写っていませんがギア雲台等を使用しています。
段々と雲台が増えてきており、また下記ページで紹介したとおり、トラベル三脚も最近買い足したので、雲台を付け替える頻度がかなり増えてきました。
なので、より手早く雲台を付け替えできるようにならないかなと思い、KIRK(カーク)のクイックリリースシステム"Tripod head quick release system"を購入してみましたので紹介したいと思います。
Tripod head quick release system とは
三脚の上部(ネジで雲台やカメラを取り付ける部分)にアルカスイス互換のベースを取付け、付属の専用プレートを雲台の底部に取り付けることで、素早く雲台を脱着できるようになります。
アルカスイス互換の雲台用クイックリリースシステムはRRS(Really Right Stuff)やKIRKといったメーカーから発売されていますが、私はKIRKの製品を選択し、アメリカのB&Hというサイトで購入しました。
RRSとKIRK共にアメリカのメーカーで、ネットで評判を見る感じでは、どちらも高額ではありますが(比較するとKIRKの方が全体的に安い印象)、品質に非常に定評のあるメーカーといった印象です。
実際に、これ以外にもRRSの三脚座やKIRKのレベリングベース等も購入していますが、総じて満足度は高いです。
二種類のサイズ
KIRKのクイックリリースシステムは、三脚のベース径に応じて通常サイズとミニサイズの二種類のサイズがラインナップされています。(通常サイズは、更に付属のプレートが大か小か選べます)
私は最初に通常サイズ(プレートは小)を購入し、その後トラベル三脚(GT1555T)購入時にミニを購入しました。
TQR-1S(通常サイズのクイックリリースシステム)
最初に買ったのが、"TQR-1S"という型番の製品です(通常サイズのシステムにSサイズのプレートが付属)。
通常サイズと私は言っていますが、かなり大型の雲台にも対応できるような大きさで、開封した第一印象は「デカい!」でした。
左側が基本的にクイックリリースシステムを付けようと思っているLeofotoのレベリングベース"LB-60N"というベース径60mmの製品です。
右のTQR-1Sはそれよりも一回り大きいことがわかるかと思います。
ノブと水準器を除いた径は約72.5mm程度かと思います。
私が所有している雲台はベース径が大体50mm前後なので、ちょっと大袈裟すぎる大きさだったかなと思っています。
また、付属のプレートは大だと径が約63mm、小は約50mm程度となっていて、公式HPでは雲台のベース径が約57mm以上なら大、それ以下なら小を推奨しているようでしたので、小を選択しました。
※公式サイトの該当ページのリンク貼っておきます。
プレートを乗せるてみるとこんな感じです。
クイックリリースシステムの方がかなり大きいことがわかります。
正直アンバランスに見えるので、個人的には更に中間のサイズでもラインナップに追加されたら嬉しいなと思っています。
レベリングベースに装着してみるとこんな感じです。
実際に装着してみると思った程は違和感無いかなという感じでした。
また、予想外に良かった点として、クイックリリースシステムに付属している水準器に表示される泡が大きく、非常に使い勝手が良いことが挙げられます。
Leofotoのレベリングベース"LB-60N"に"TQR-1S"を装着し、俯瞰する形で撮った写真です。
奥側に見えるLeofotoのLB-60Nの水準器の泡(中心に見える円)と比べて、手前側のKIRKの水準器は非常に大きく確認しやすいことがわかるかと思います。
また、Leofoto側では泡が中心に来ているように見えていても、KIRKの方では若干ズレていることもわかります。
KIRKの方がより精度良く水平を出すことが可能ということですね。
※ちなみLB-60Nで水平を取った時も、全く当てにならないということではなく、カメラ内の水準器程度の精度で見る限り全て水平になっていたことを今までの経験上から補足しておきます。最低でもカメラ内の水準器と同程度の精度は有るかと思います。
TQR-3S(ミニサイズのクイックリリースシステム)
次に買ったのが、"TQR-3S"というトラベル三脚用のクイックリリースシステムです。
こちらは三脚のベース径が53mmより小さくないと使えないと注意書きがありました。
公式サイトの画像で取り付けている三脚はGitzoのトラベラーシリーズで、私が購入したトラベル三脚もGitzoのGT1555Tでしたので、まあこれなら問題無いだろうと思い購入しました。
※公式サイトのリンクです
こちらが TQR-3S を開封した時の写真です。
プレートは先ほどと全く同じSサイズなので、通常サイズと比べてクイックリリースシステムがかなり小さいことがわかるのではないでしょうか。
また、 TQR-3Sには水準器が付いていませんね。
無駄のない大きさという感じがして、個人的にはミニサイズの方が好みです。
実際に三脚(GT1555T)に TQR-3S を取り付けるとこんな感じです。
私は問題無い範囲と思っていますが、三脚を完璧には折り畳めなくなってしまうので、気になる方は要注意です。
TQR-3S(写真右寄り)が三脚のロックナット部分に干渉して、少し脚が開いていることがわかるでしょうか。
三脚にピッタシサイズのケースを使っている、という場合等には注意が必要かと思います。
前述したとおり、スペーサーを購入して何とか同じKIRKのトラベル三脚用レベリングベース "TLB-2"に取り付けた例がこちらです。
ほぼ同じ径で一体感が最高です。
不意の落下を防ぐ凹凸が設けられている
KIRKのクイックリリースシステムの特徴として、脱落防止用の凹凸がシステムとプレート両方に設けられています。
プレートの底面の写真ですが、2つ丸い部分が出っ張っているのがわかるかと思います。
これがクイックリリースシステム側の窪みに引っかかって、ロックを緩めていても滑り落ちづらくなっています。
クイックリリースシステム側に二か所楕円形の窪みが見えます。
ここにプレート側の出っ張りが引っかかるようになっています。
実際に使って見ると、カポっと雲台が嵌る感覚があって、思った以上に安心して取り付けられる印象です。
特に、径に余裕の無いミニサイズ(TQR-3S)の方でも、ズレることなく装着しやすいのが好印象です。
実際に TQR-3S に雲台を装着した写真ですが、ズレることなくピタッと取付けできていることがわかるかと思います。
これが窪みのおかげで、素早く再現性を持って装着することができます。
ただし、良い事ばかりではありません。
プレートの出っ張りのせいで、クイックリリースシステム以外には取付けできないことが多いんですね。
ジンバル雲台に自由雲台を乗っけて、その上にギア雲台を乗っけるという、非常にトリッキーな状態ですが(笑)、実はこのジンバル雲台と自由雲台の結合部が上手く嵌っていないんです。
プレートが浮いてしまっているのがわかるでしょうか。プレート底部の真ん中をよく見ると出っ張りが干渉しているのが見えます。
まあ、そんなに困る場面は無いです(笑)
装着例
最後に装着した写真を載せておきます。
SIRUIの"K-20X"という自由雲台のベース径は53mmとのことです。
やはりクイックリリースシステムが少しデカく感じます。
また、結構高さがありますね。私は、実は高さを若干稼ぎたいという目論見もあってクイックリリースシステムを導入したので問題無いのですが、重心位置が上がって安定性が下がりそうと思われる方もいるかもしれませんね。
そこは何を重視するかだと思います。
先ほどの組み合わせでジンバル雲台を取り付けた写真です。
こんな感じで、雲台を気軽に変更することができます。
個人的にはジンバル雲台のような大型な雲台を取り付ける時にクイックリリースシステムの恩恵を感じています。
ここまで嵩張る雲台をクルクル回して取り付けるのが結構煩わしかったんですよね。
ジンバル雲台の装着部を横から撮った写真です。
ちなみにジンバル雲台はJobu Design(ジョブデザイン)の”HD4”(ヘビーデューティーMarkIV)という製品で、ベース径は実測で約50mmでした。
最後はLeofotoのギア雲台"G2"を装着した写真です。
G2は底部が最初からアルカスイス互換になっていますので、専用プレートを取り付けることなくクイックリリースシステムに装着することができます。
実はこのG2を購入したこともクイックリリースシステムを導入しようと思ったきっかけの一つでした。
終わりに
紹介は以上です。いかがでしたでしょうか。
正直、かなり高額かつマニアックな製品だと思うので、他人にお勧めするかというと、うーん・・・という感じですかね(笑)
まあ買ったら買ったで便利なのは間違いないんですけどね!
こんな製品もあるんだなという感じで少しでも参考になれば幸いです。
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