【KIRK】雲台と三脚の取付け部をアルカスイス互換にしました【クイックリリースシステム】

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1Sにジンバル雲台を乗せた例 機材紹介
機材紹介

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私は三脚使用時に、冒頭の写真のジンバル雲台や自由雲台、また写真には写っていませんがギア雲台等を使用しています。

段々と雲台が増えてきており、また下記ページで紹介したとおり、トラベル三脚も最近買い足したので、雲台を付け替える頻度がかなり増えてきました。

なので、より手早く雲台を付け替えできるようにならないかなと思い、KIRK(カーク)のクイックリリースシステム"Tripod head quick release system"を購入してみましたので紹介したいと思います。

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Tripod head quick release system とは

三脚の上部(ネジで雲台やカメラを取り付ける部分)にアルカスイス互換のベースを取付け、付属の専用プレートを雲台の底部に取り付けることで、素早く雲台を脱着できるようになります。

アルカスイス互換とは、三脚の雲台等で現状最も普及している規格です。同じ互換性を持った製品には、このプレートを付けたまま装着できるようになっています。

様々な製品の着脱がスムーズになり、非常に便利です。

※アルカスイス互換は各メーカーが謳っている物で、メーカー毎に若干形が違うみたいです。100%統一された規格ではないので、製品毎の相性で取り付けできないということもあるようです。なお、今回紹介しているシステムに付属するプレートは、不意の落下防止の為に独自の凹凸が設けられており、他のベースには取り付けられない可能性大です。

アルカスイス互換の雲台用クイックリリースシステムはRRS(Really Right Stuff)やKIRKといったメーカーから発売されていますが、私はKIRKの製品を選択し、アメリカのB&Hというサイトで購入しました。

RRSとKIRK共にアメリカのメーカーで、ネットで評判を見る感じでは、どちらも高額ではありますが(比較するとKIRKの方が全体的に安い印象)、品質に非常に定評のあるメーカーといった印象です。

実際に、これ以外にもRRSの三脚座やKIRKのレベリングベース等も購入していますが、総じて満足度は高いです。

二種類のサイズ

KIRKのクイックリリースシステムは、三脚のベース径に応じて通常サイズとミニサイズの二種類のサイズがラインナップされています。(通常サイズは、更に付属のプレートが大か小か選べます)

私は最初に通常サイズ(プレートは小)を購入し、その後トラベル三脚(GT1555T)購入時にミニを購入しました。

TQR-1S(通常サイズのクイックリリースシステム)

最初に買ったのが、"TQR-1S"という型番の製品です(通常サイズのシステムにSサイズのプレートが付属)。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1S
TQR-1S(右)と追加で買ったプレート(小)TQR-MPS

通常サイズと私は言っていますが、かなり大型の雲台にも対応できるような大きさで、開封した第一印象は「デカい!」でした。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1SとLeofotoのレベリングベースを俯瞰して比較
60mm径のレベリングベース(左)とTQR-1S(右)

左側が基本的にクイックリリースシステムを付けようと思っているLeofotoのレベリングベース"LB-60N"というベース径60mmの製品です。

右のTQR-1Sはそれよりも一回り大きいことがわかるかと思います。
ノブと水準器を除いた径は約72.5mm程度かと思います。

私が所有している雲台はベース径が大体50mm前後なので、ちょっと大袈裟すぎる大きさだったかなと思っています。

また、付属のプレートは大だと径が約63mm、小は約50mm程度となっていて、公式HPでは雲台のベース径が約57mm以上なら大、それ以下なら小を推奨しているようでしたので、小を選択しました。

※公式サイトの該当ページのリンク貼っておきます。

Large Tripod Head Quick Disconnect System - Tripod head quick disconnect system - Tripod/Monopod Heads | Kirk Photo
Kirk Photo is a manufacturer of camera parts and equipment including camera monopod, gimbal & ball heads, mounting equip...
KIRKのクイックリリースプレートTQR-1SにSサイズの専用プレートを乗せる
TQR-1S にプレート小を乗せる

プレートを乗せるてみるとこんな感じです。
クイックリリースシステムの方がかなり大きいことがわかります。

正直アンバランスに見えるので、個人的には更に中間のサイズでもラインナップに追加されたら嬉しいなと思っています。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1SをLeofotoのレベリングベースに装着
LB-60Nの上に TQR-1S を装着

レベリングベースに装着してみるとこんな感じです。

実際に装着してみると思った程は違和感無いかなという感じでした。

また、予想外に良かった点として、クイックリリースシステムに付属している水準器に表示される泡が大きく、非常に使い勝手が良いことが挙げられます。

KIRKのクイックリリースプレートの水準器とLeofotoのレベリングベースの水準器比較
レベリングベース LB60-N の水準器(上部)と TQR-1S の水準器(左)

Leofotoのレベリングベース"LB-60N"に"TQR-1S"を装着し、俯瞰する形で撮った写真です。

奥側に見えるLeofotoのLB-60Nの水準器の泡(中心に見える円)と比べて、手前側のKIRKの水準器は非常に大きく確認しやすいことがわかるかと思います。

また、Leofoto側では泡が中心に来ているように見えていても、KIRKの方では若干ズレていることもわかります。

KIRKの方がより精度良く水平を出すことが可能ということですね。

※ちなみLB-60Nで水平を取った時も、全く当てにならないということではなく、カメラ内の水準器程度の精度で見る限り全て水平になっていたことを今までの経験上から補足しておきます。最低でもカメラ内の水準器と同程度の精度は有るかと思います。

TQR-3S(ミニサイズのクイックリリースシステム)

次に買ったのが、"TQR-3S"というトラベル三脚用のクイックリリースシステムです。

こちらは三脚のベース径が53mmより小さくないと使えないと注意書きがありました。

私は TQR-3Sに合わせてKIRKのトラベル三脚用のレベリングベース"TLB-2"も同時購入したのですが、ベース径は問題無いと思っていたものの、レベリングベースの水準器が干渉してしまい、そのままでは装着できないという想定外の事態に出くわしました。

KIRKのトラベル用レベリングベースTLB-2とクイックリリースプレートTQR-3Sの組み合わせが使用不可な例
ノブがと水準器が干渉して取付けできない

同じメーカーかつどちらもトラベル三脚用なら大丈夫だろうと思っていたら甘かったです(笑)

対処法としては、「スタジオJin」というカメラ機材専門店に、正にこのクイックリリースシステム用に製造されたスペーサーが販売されているのを見つけることができ、それを購入することで装着できるようになりました。

KIRKのトラベル用レベリングベースTLB-2とクイックリリースプレートTQR-3S用のスペーサー
スペーサー(3mm厚)

厚さ2mmと3mmの物が販売されており、私は3mmの方を購入しました。

これでノブが干渉しなくなり、取付けできる製品の幅が広がります。

KIRKのトラベル用レベリングベースTLB-2とクイックリリースプレートTQR-3Sの隙間にスペーサーを入れた例のアップ
若干紺色っぽいのがスペーサー

上手くスペースを設けることができるようになりました。

※内容が重複していることも多いですが、この顛末の詳細は下記ページに記載してありますので、よろしければご覧ください。

公式サイトの画像で取り付けている三脚はGitzoのトラベラーシリーズで、私が購入したトラベル三脚もGitzoのGT1555Tでしたので、まあこれなら問題無いだろうと思い購入しました。

※公式サイトのリンクです

Small Tripod Head Quick Disconnect System - Tripod head quick disconnect system - Tripod/Monopod Heads | Kirk Photo
Kirk Photo is a manufacturer of camera parts and equipment including camera monopod, gimbal & ball heads, mounting equip...
KIRKのクイックリリースプレートTQR-3S
TQR-3Sのパッケージ開封

こちらが TQR-3S を開封した時の写真です。

プレートは先ほどと全く同じSサイズなので、通常サイズと比べてクイックリリースシステムがかなり小さいことがわかるのではないでしょうか。

また、 TQR-3Sには水準器が付いていませんね。

無駄のない大きさという感じがして、個人的にはミニサイズの方が好みです。

実際に三脚(GT1555T)に TQR-3S を取り付けるとこんな感じです。

GitzoのGT1555TにKIRKのクイックリリースプレートを取付け
TQR-3Sを三脚に装着

私は問題無い範囲と思っていますが、三脚を完璧には折り畳めなくなってしまうので、気になる方は要注意です。

GitzoのGT1555TにKIRKのクイックリリースプレートを取付けて収納した例
TQR-3Sを付けて三脚を折りたたんだ例

TQR-3S(写真右寄り)が三脚のロックナット部分に干渉して、少し脚が開いていることがわかるでしょうか。

三脚にピッタシサイズのケースを使っている、という場合等には注意が必要かと思います。

KIRKのトラベル用レベリングベースTLB-2とクイックリリースプレートTQR-3Sの隙間にスペーサーを入れた例
KIRKのレベリングベース TLB-2 に TQR-3S を装着

前述したとおり、スペーサーを購入して何とか同じKIRKのトラベル三脚用レベリングベース "TLB-2"に取り付けた例がこちらです。

ほぼ同じ径で一体感が最高です。

なお、KIRKからは最初からレベリングベースの上部がアルカスイス互換となっているクイックリリースモデルが販売されていますので、私の様にレベリングベースと組み合わせて使うことを検討している方は、そちらをお勧めします(笑)

私は、通常サイズのレベリングベースにはクイックリリースモデルがあることは知っていたのですが、トラベル三脚用レベリングベースにも存在してるとは購入時知らなかったんですよね(B&Hで売ってなかったので存在しないものと思い込んでいました)。

公式サイトにはしっかりとラインナップされています。

型番は、通常サイズのレベリングベースが”TLB-1QRS”"TLB-1QRL"(付属プレート大小の違いです)、ミニサイズ(トラベル三脚用)のレベリングベースが"TLB-2QR"です。

不意の落下を防ぐ凹凸が設けられている

KIRKのクイックリリースシステムの特徴として、脱落防止用の凹凸がシステムとプレート両方に設けられています。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1SのSサイズの専用プレートの底面
プレートの底面

プレートの底面の写真ですが、2つ丸い部分が出っ張っているのがわかるかと思います。

これがクイックリリースシステム側の窪みに引っかかって、ロックを緩めていても滑り落ちづらくなっています。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1SにSサイズの専用プレートを並べて比較
クイックリリースシステムの窪みとプレートの出っ張り

クイックリリースシステム側に二か所楕円形の窪みが見えます。
ここにプレート側の出っ張りが引っかかるようになっています。

実際に使って見ると、カポっと雲台が嵌る感覚があって、思った以上に安心して取り付けられる印象です。

特に、径に余裕の無いミニサイズ(TQR-3S)の方でも、ズレることなく装着しやすいのが好印象です。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-3Sに雲台を装着した例
TQR-3S(ミニサイズ)に雲台を装着

実際に TQR-3S に雲台を装着した写真ですが、ズレることなくピタッと取付けできていることがわかるかと思います。

これが窪みのおかげで、素早く再現性を持って装着することができます。

ただし、良い事ばかりではありません。

プレートの出っ張りのせいで、クイックリリースシステム以外には取付けできないことが多いんですね。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1Sと各雲台の組み合わせ例
全部乗せ

ジンバル雲台に自由雲台を乗っけて、その上にギア雲台を乗っけるという、非常にトリッキーな状態ですが(笑)、実はこのジンバル雲台と自由雲台の結合部が上手く嵌っていないんです。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1S専用プレートが上手く咬合しない時の例
出っ張りが干渉して上手く咬合しない

プレートが浮いてしまっているのがわかるでしょうか。プレート底部の真ん中をよく見ると出っ張りが干渉しているのが見えます。

まあ、そんなに困る場面は無いです(笑)

装着例

最後に装着した写真を載せておきます。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1Sに雲台を乗せた例
下からレベリングベース LB-60N と TQR-1S と 雲台K-20X

SIRUIの"K-20X"という自由雲台のベース径は53mmとのことです。

やはりクイックリリースシステムが少しデカく感じます。

また、結構高さがありますね。私は、実は高さを若干稼ぎたいという目論見もあってクイックリリースシステムを導入したので問題無いのですが、重心位置が上がって安定性が下がりそうと思われる方もいるかもしれませんね。

そこは何を重視するかだと思います。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1Sにジンバル雲台を乗せた例
ジンバル雲台(左)と自由雲台(右)

先ほどの組み合わせでジンバル雲台を取り付けた写真です。
こんな感じで、雲台を気軽に変更することができます。

個人的にはジンバル雲台のような大型な雲台を取り付ける時にクイックリリースシステムの恩恵を感じています。

ここまで嵩張る雲台をクルクル回して取り付けるのが結構煩わしかったんですよね。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1Sにジンバル雲台を乗せた例の装着部アップ
ジンバル雲台装着部を横から

ジンバル雲台の装着部を横から撮った写真です。

ちなみにジンバル雲台はJobu Design(ジョブデザイン)”HD4”(ヘビーデューティーMarkIV)という製品で、ベース径は実測で約50mmでした。

KIRKのクイックリリースプレートTQR-1Sにギア雲台G2を乗せた例
Leofotoのギア雲台G2を装着

最後はLeofotoのギア雲台"G2"を装着した写真です。

G2は底部が最初からアルカスイス互換になっていますので、専用プレートを取り付けることなくクイックリリースシステムに装着することができます。

実はこのG2を購入したこともクイックリリースシステムを導入しようと思ったきっかけの一つでした。

終わりに

紹介は以上です。いかがでしたでしょうか。

正直、かなり高額かつマニアックな製品だと思うので、他人にお勧めするかというと、うーん・・・という感じですかね(笑)

まあ買ったら買ったで便利なのは間違いないんですけどね!
こんな製品もあるんだなという感じで少しでも参考になれば幸いです。

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