構図を微調整するのに非常な便利なギア雲台ですが、どうしても構造上大きく重い製品ばかりな印象があります。
そんななか、ギア雲台の中では非常に小型なLeofotoの"G2"という雲台を購入して使ってみたところ、やはり有るのと無いのでは雲泥の差で、今では風景写真等を撮るには欠かせないものとなっていますので紹介したいと思います。
ギア雲台が欲しくなった場面
私は以前から普段使いの雲台としては、SIRUIの"K-20X"という自由雲台を使用しております。
1万円ちょっとの価格の割に、固定力は十分有り、非常にコスパに優れた雲台ということで購入したものです(カメラを買ったばかりで初めて雲台を購入するような方からすると高く感じるかもしれませんが)。
実際に固定力は十分有り(SEL100400GMという望遠レンズでも余裕で固定でき、1万円未満の格安雲台とは明らかに違います)、どんな場面でも使えるので、初めて雲台を買う際には、とりあえず安めで間違いのない製品として未だにお勧めできる雲台とは思っています。
ですが自由雲台ですと、どうしても望遠レンズ等を付けていると、構図の微調整に非常に苦労してしまうんですね。
これはギア雲台と望遠レンズを使った工場夜景の写真ですが、私は小さな光等ができるだけ中途半端に見切れてしまわないように、というようなことを考えて構図を整理しながら撮影することが多いです。
上の写真で言えば、左下の光を画面隅ギリギリに配置したいと考えながら撮ったように記憶しています(今見返すと右端の光は少し見切れていますね)。
このような灯り1個分の微調整をしようとすると、自由雲台だと行き過ぎてしまったり、意図せず斜めにも傾いてしまったりと、それだけで数十秒以上も要してしまうこともあります。
そんな感じで、以前からそのうちギア雲台が欲しいなと思っており、色々と調べた結果、価格と大きさ、重量等を考慮してG2を購入しました。
G2の外観・可動域
ということでLeofotoのギア雲台"G2"の紹介です。
外観
※写真最下段のノブが付いている部分は別の自由雲台のクランプです。そこより上が本体です。
写真の向きを正面として、カメラが向こう側を向くように取り付けた場合は、写真上から3つ目の正面のノブを回すと上下に、上から4つ目の左のノブを回すと左右の傾きの角度を少しずつ調整することができます(なお、ギアによる微動だけで、一気に大きく動かす粗動はできません)。
また、上から2番目の右側、形状が異なるノブを緩めると最上部のクランプ部をパン(水平に回転)することができます。
これはギアの機構は無く、粗動のみが可能となっています。
※パンのノブですが、カメラを手で押さえていない状態で締め付けていくと、構図が僅かに左右にズレてしまう印象があります。ただし、それでもSIRUIのK-20Xでの同様のズレよりは軽微で、空いている手でほんの少しだけカメラを保持しながら締め付けるとズレを押さえられると現状使っている状況では感じています。
主な仕様ですが、販売サイトによると、
- 高さ 62mm
- 重量 360g
- 耐荷重 20kg
となっており、非常に小型かつ耐荷重も公称上は申し分ないということが窺えます。
ミニ三脚なんかでもギリギリ使えそうなサイズ感です。
可動域
非常に小型な雲台なのですが、その代償としてか、可動範囲は±10度(上下左右共に)ずつと他のギア雲台と比べて非常に狭いかと思います。
最大限可動させたイメージはこんな感じです。
基本的に構図の微調整だけができるという感じですね。
また、雲台の可動の仕方が独特で、取り付けたカメラの位置がズレないんですよね。
写真を見返していただくと、カメラ取付け部分を軸にその下の箇所が動いていることがわかるかと思います。
個人的には、この機構はより構図を一度決めてからの微調整がしやすいかなと思っています。
他に使って感じた点としては、上下左右のギアノブを回した時の初期位置でのクリック感がわかりやすくて心地良いなと思いました。
ノブを回していって、傾きがゼロになる地点になると、ノブが一瞬止まる感触=クリック感が得られて、初期位置の把握が非常にしやすいんですよね。
暗い屋外での撮影時にも現状を把握しやすくて重宝しています。
底面の形状がアルカスイス互換となっている
ここまで説明したとおり、可動域が狭いG2ですが、それはこの雲台の下に自由雲台等を付ける前提として設計されているからだと思います。
その為、底部がアルカスイス互換プレートの形状となっています。
底部がこのような形状になっているので、アルカスイス互換の雲台の上に手早くこの雲台を付けることができ、大まかな構図決めの粗動は自由雲台で行い、細かな微調整はG2で行うということが可能になります。
これにより、先に購入した自由雲台も無駄にすることなく有効利用ができます。
※写真を見ればわかるとおり、底部の真ん中に三脚用ネジ穴も開いていますので、普通に三脚に取り付けることもできます。
ただし、G2の底面に付いている脱落防止のネジが干渉し、雲台に上手く付けられない場合があります(正にK-20Xがそうでした(笑))。
このようにネジが干渉してしまい、G2が浮いてしまっています。
これでは使い物になりませんので、私はネジを外して使用しています。
固定力(望遠レンズを装着してみる)
次は実際にカメラを取り付けてみたいと思います。
私が所有している中では一番大型かつ重たいSONYの"SEL100400GM"というレンズと"α1"の組み合わせ(計2kg以上)を試してみます。
かなり角度を付けて厳しい状態にしてみましたが、しっかりと固定できました。
このように前方向に動かして更に角度を付けても、問題無く固定できています。
しかしミニ三脚もよく頑張ってくれていますね(笑)
※ミニ三脚の紹介はこちら。
自由雲台を使わない運用を考える
さて、ここまで自由雲台を併用する前提で話をしてきましたが、それだと折角の小型ギア雲台も結局他の雲台と組み合わせることによって頭でっかちな感じになってしまいますよね。
まあ、G2自体が非常に小型なので気楽に鞄に入れておけば良いと思っているので問題無いとは思っているのですが、一応極力小型なまま運用できないかと考え、レベリングベースに直付けしてみました。
所有していた、同じLeofotoの"LB-60N"というレベリングベースに取り付けてみました。
どちらも径が60mmと同じなので、綺麗に揃って非常にスッキリとしています。
レベリングベースは本来写真銀色のお椀のような部分を自由に(角度は僅かですが)傾けて、三脚の上部分で水平を出すことができるものなのですが、こちらを使って、ギア雲台の可動域も少し稼げるのではないかと考えました。
レベリングベースとギア雲台を同方向に最大限傾けるとこんな感じです。
次項で述べるL型プレートがあれば、これでも運用できなくないかもしれないかなぁという感じですかね。
まあ、いざという時にこれでは角度が足りないとなって撮れなかったら嫌なので、私は基本自由雲台に取り付けます(笑)
なので、私は現在できるだけ背の低い自由雲台(RRSのBH-40等)を物色中です。
縦構図用にL型プレートが欲しくなる
ギア雲台を使っていて思ったのは、とにかく縦構図と横構図の切り替えが面倒くさいということでした。
上の写真は実際にG2を使って撮ったものなのですが、真っ暗闇の中、横構図から縦構図に切り替えようとした際に、まず自由雲台を90度横に倒して、ギア雲台も上下左右に調整しなおして・・・と非常に手間取ったことを強く覚えています。
まだ使い慣れていなかったせいもあって、特にギアの動かしている状態が現状どうなっているのか、暗闇の中ではもう訳がわからなくなりました(笑)
また、これは完全に自分のせいですが、暗闇の中色々なノブを触っているうちに、誤ってカメラ固定ノブを触ってしまい、カメラが外れてしまうこともありました。
幸い、外れた瞬間に空中でキャッチできたので事なきを得ましたが、本当にヒヤッとしました。
このことがあってから、やはりL型プレートが欲しいなと思うようになりました。
ただ、私の場合はPeakDesignのCapture(キャプチャー)も必須レベルで常用しており、カメラの底部にはキャプチャー用のプレートが付いていますので、それとL型プレートを併用する方法を考えなければなりません。
※キャプチャーの紹介ページはこちら。
終わりに
G2の紹介は以上となります。
カメラを始めた当初は決して必須な道具ではありませんが、やはり有ると非常に便利で欠かせなくなるアイテムだと思いました。
気軽に鞄に入れておけるサイズ感も非常に助かります。
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