SONYのフラッグシップミラーレスカメラ"α1"(ILCE-1)が発売されて一週間が経過しました。
私も発売日に購入して使用しており、何でもできる凄まじい性能に大変満足し、本当に買って良かったなと思っています。
ですが、発売したての商品の宿命か、使用しているうちにいくつか不具合らしき症状や気になる点が出てきました。
内容はいずれもファームウェアアップデート等で改善されることかなと思っており、余り深刻に捉えてはいないのですが、高価な買い物ですし気になる方もいるかと思いますので、情報共有させていただきます。
発生した不具合については、SONYのサポートにメールをして現在状況確認、返答待ちの状態です(不具合のみで気になる点については伝えていません)。状況変わり次第随時更新していこうと思っております。
発生した不具合について
①画面がフリーズし、電源オンオフもできなくなる
一番困った症状がこれですね。同日に二度発生しました。
突如画面がフリーズ(ISOと、記憶曖昧ですがF値だけが表示された状態)し、一切の操作を受け付けなくなり、電源をオフにしても画面が消えませんでした。
バッテリーを一度抜いて入れ直してから再度電源を入れることで、元に戻りました。
一度目の状況は覚えていないのですが、二度目はパワーセーブ中(2分操作していないとセーブするよう設定)から復帰させようとシャッターボタンを押した瞬間にフリーズしました。
フリーズした画面は一度目二度目とも同様でしたので、もしかしたら一度目も同じ状況だったかもしれません。
これが原因かはわかりませんが、これ以降パワーセーブ設定はオフにしました。
SONYのサポートには、同様の報告はあるのか、個体差で修理の可能性があるのかを確認してもらっている状態です。
なので全てのα1で同じようなことが起こり得るのかはまだわかりません。無駄に心配させてしまったらすみません。
②AF(オートフォーカス)操作が全くできなくなる
これも同日に突如二度発生しました。
私は親指AFを設定して使用していますが、「AF-ON」ボタンを押しても一切反応しなくなりました。
フォーカスエリアは「中央固定」にしていたので、フォーカスポイントが動かせるかの確認はできず、またMF(マニュアルフォーカス)が使えるかどうか等を確認するまで頭が回らなかったので、それ以外の操作ができたのかどうかは不明です。
この症状は、普通に電源を切って入れ直したところ元に戻りました。
③EVFを覗いても液晶画面から切り替わらないときがある
これは価格コムの口コミでも同様の症状が見受けられました。日中の屋外等で起こりやすいっぽいです。
「ファインダー/モニター選択」を「オート」に設定していても、EVFに切り替わらない場合が1~2回ありました。
④再生画面でグループ表示がされなくなる
これは購入して二日目くらいに起こりました。
このように、再生画面時のグループ表示(連写やインターバル撮影の写真をグループ化して表示する)を「入」にしていて、当初はちゃんとグループ表示されていたのですが、ある時を境に急に一枚毎の表示になってしまいました。
設定を一度「切」にしてから「入」にしなおしても駄目で、対象のカードをフォーマット(クイックフォーマットだけでなくフルフォーマットも試しました)してみてもなかなか直りませんでした。
結局スロット2の方のカードもフォーマットしてみるなど、色々と試していたところ気づいたら直っていました。
なので明確な対処法は分からず仕舞いでした。
連写を多用するα1でこの不具合が発生すると写真管理の収拾がつかなくなって非常に困りました(笑)
(追加)⑤レンズのF値が制御できなくなる(認識されなくなる)※2021/4/9追記
実は本記事作成後、更に突然カメラの画面でF値が表示されなくなってしまう事象が発生しました。
今回はちゃんとその時の写真を撮っておきました。
これが発生したときは、α1にSEL100400GMを付けており、テレコンは付けていませんでした。
これは一旦電源をオフにして、電源を入れ直したところ正常に戻りました。
ということでこの事象についても追加でサポートに報告したので、得た回答を記載しておきます。
私が直面した不具合は以上です。
気になる点
ここからは只の個人的な感想や願望です。
MR撮影設定登録にカスタムボタンも反映されるようになってほしい
私はMR撮影設定(モードダイヤルにある1~3に自分でカスタムした撮影設定を登録できる)を多用しています。
具体的には、
- 飛ぶ、走る被写体用の設定(SS速く、フォーカスエリア広め、ISO高め)
- 止まっている被写体用の設定(SS遅め、フォーカスエリア小、ISO低め)
- 水中用設定または動画用設定
こんな感じで使い分けています。
これと「押す間カスタム設定呼出」という機能をカスタムボタンに割り当てて瞬時に複数種類のAFモードを使い分けられるようにしているのですが、カスタムボタン割り当ては全モード共通(動画モード除く)になってしまうということを今更ながら知りました。
α7Ⅲの時には気づきませんでした(笑)
本来は、「MR1の時はカスタムボタン①と②を、MR2の時はカスタムボタン①と③を割り当てる」というような使い方を想定していたのですが、それは難しいということがわかりました(一々設定画面から割り当てを変えないとできない)。
これができるようになると更にカスタムの幅が広がるので、是非できるようになって欲しいです。
特に、水中ハウジングを付けて水中撮影する場合は、使えるボタンに制限がでてきて、カスタムボタン割り当てを大きく変えることがありますので、ボタン割り当てごと登録できると非常に楽になるなと思っています。
連写Hi+設定時にRAW形式を自動で切り替えて欲しい
これは前回のファーストインプレッションでも述べたことですね。
私は普段はロスレス圧縮で撮影し、非常時に素早く秒30連写(圧縮RAWのみ)に切り替えられられるというのが理想的だなと思っています。
現状はロスレス圧縮に設定している時にドライブダイヤルを「Hi+」にすると、形式はロスレス圧縮のままで最高速の秒20連写止まりになってしまいます。
なんかダイヤルを一つ無駄にしてしまっている気がするんですよね。
「Hi+」にすると自動的に圧縮RAWで30連写となってくれた方が個人的には嬉しいです。
「"再押し"カスタム設定切替」ができるとより嬉しい
一つ目の項目でも触れた「押す間カスタム設定呼出」ですが、これに加えて「再押し」でカスタム設定のオンオフができるようになると更に便利だなと思っています。
「押す間カスタム設定呼出」を割り当てるボタンって右手の親指で押すボタンに割り当てることが多いかと思うんですよね。
人差し指を使うボタンに割り当てちゃうとシャッターボタン押せませんからね(笑)
なので親指を使ってしまう=フォーカスポイントの移動等は難しいのです。
これはカメラ前面にもボタンが有るメーカーが羨ましくもあります。
以上のことから「再押し」で設定を呼び出して、そこからフォーカスポイントの移動や露出の変更ができるようになると、より柔軟に現場の状況に素早く対応できそうだなあと想像しています。
「SONY RAW Driver」の復活
これも前回のファーストインプレッションで述べたことです。
PCのフォルダ上で、RAWデータをJpeg等のようにプレビュー(サムネイル)表示できるようになる無料ソフトだったのですが、2020年3月に配布終了されてしまいました。
私のPCには配布終了前にダウンロードしてインストールしてあるのですが、上の写真のようにα7Ⅲ(ファイル名A7)はプレビュー表示されていますが、α1(ファイル名A1)は表示されませんでした。
代替ソフトも探して試しましたが、表示に非常にもたついたり、ロスレス圧縮には対応していなかったりと、満足するものは見つけられていませんので、是非純正で復活してもらえると非常に嬉しいです。
バッテリー持ちについて
バッテリー消費量は多く、α7Ⅲと比較すると結構早く減っていく印象です(体感1.5倍くらい?)
上記の日中4時間撮影(数分は撮らないなという時以外はほぼ電源オン)した時で、バッテリー残量は満タンから25%くらいになっていました。
何よりも印象的なのは、設定画面や再生画面を開いている時も同じペースで減っていくというイメージがあることです。α7Ⅲの時はあまり感じなかったポイントでした。
α7Ⅲの時は、大抵予備バッテリーは1個もあれば一日安心して過ごせたのですが(予備を持ち歩かないことも多いです)、α1では常に予備を1個は持っていないと何か落ち着かないなという感じです。丸一日使うときは2個以上持っていきたい印象です。
とはいえ、これは仕様どおりの印象だと思います。
ファインダー使用時の公称撮影撮影可能枚数は、α7Ⅲで約610枚、α1は約430枚なので、α7Ⅲの方が約1.4倍持つはずなんですよね。
なのでこれでバッテリーが持たないと文句を言うのは筋違いかなと思ってます。これでも他社の機種と比べたら持つ方な気もしますし。
再生時のフォーカス枠表示が全く信用できない
α7Ⅲでは無かったと思いますが、カメラの再生モードでピントを合わせた位置にフォーカス枠を表示させることができるようになりました。
恐らくα7SⅢとα1のみ対応だと思います。
そして、SONY純正ソフト「Imaging Edge」のPC版のViewモードでも同じようにフォーカス枠を表示させることができます。
フォーカス枠の色が緑で草と同化して見づらいですが(笑)、写真二枚とも良く見ると鳥の瞳にフォーカス枠が出ていることがわかるかと思います。
これだけで鳥瞳AFが作動して、しっかりと瞳付近にピントが合っているということが写真を拡大しなくてもある程度判断できるようになったと思いました。
しかし、動きものを撮った場合には、このフォーカス枠の位置が全く当てにならないということがわかってしまいました(笑)
犬が数十センチの高さの場所に飛び乗る瞬間です。
体感2秒も無い一瞬の出来事でしたが、瞳AFが作動し、しっかりと顔にピントを合わせ続けて写真を撮れました(数枚若干耳あたりにピントがずれてしまった写真はありました)。
写真はしっかりと撮れていたのですが、フォーカス枠を表示させると明らかにピント位置とは違う場所に枠が出ています。
特に右の写真は右手に枠が表示されているものの、顔にピントが合っていることがわかりやすいかと思います。
実際のAFは被写体の動きに追従しているのに、フォーカス枠の表示だけが追従できていないのです(笑)
もう一例見てみましょう。
鳩が飛んで横切った時の写真です。16枚連写して、全てしっかりとピントが合っていました。
フォーカス枠の大きさ的に鳥瞳AFが作動していることはわかりますが、枠の位置はメチャクチャですね(笑)
もしこの表示位置が正確だったら、左の写真は鳩に当たっているのでピントが合っていることも納得できますが、右の写真は背景にピントを持っていかれてるはずですよね。
このことから動きもの撮影時のフォーカス枠表示の位置は全く信用できないことがわかります。
この機能を知った時は、α1のAF性能の凄さを説明するのにも便利だなと思っていたのですが、これだと使えませんね。
本当はちゃんとピントが合っているのに、全然AF追従していないと誤解を与えてしまいそうです(笑)
実際のAF性能は凄いですからね!
次回は上の写真の連写カット等も大きく見せて、AF性能と高画素について語りたいと思っています。
終わりに
以上となります。
対応について進展有り次第、追記していきたいと思います。
気に入っているカメラについて早々にネガティブなことを書くのは若干気が引けましたが、起きたことは事実ですので情報を共有させていただきました。
逆に言うと、今回述べたこと以外については現状ほぼ全て満足しているということです!
次回以降良い点をどんどん紹介していきたいと思います。
※最新のレビューページはこちら。
※続きはこちら。
※再生画面のカスタム設定をこちらで紹介しています。
※秒間30コマで連写した写真の再生画面をGIF化してみました!
※ファーストインプレッションはこちら
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