SONYから新たに発売された、フルサイズミラーレス一眼カメラのフラッグシップ機"α1"(ILCE-1)を予約購入し、無事発売日に届きましたので、α7Ⅲとの外観比較及びファーストインプレッションを述べていきたいと思います。
予約開始日初日に予約してから1ヶ月半以上、今までで一番日が経つのが遅く感じました(笑)
まだ発売初日の数時間しか触れていませんが、その際に撮れた写真や気づいた点、感想等をちょっとだけですがレビューしていこうと思います。
α1の外観
まずは外観の写真です。
αシリーズのデザインは僅かな違いはあれど基本的に統一されていますので、そんなに目新しさはありません。
ぱっと見て気づくのは、「α1」のロゴが金色(α7シリーズはシルバー)なのと、マウント部のオレンジ色の縁がやたら目立つ(太い?)ということです。
正直言うと、発表当初にネットで外観を見た時は、「ロゴだけ金色なんて悪目立ちしそうだしかっこ悪いな」と思っていました(笑)
しかし、実物を見ると意外と悪くないなと思いました。
あまり派手な金色ではありませんし、よく見るとテクスチャもあり、落ち着きや高級感を感じられます。
光の当たり方によって鈍くロゴが光る感じがします。
ボディ上部のロゴも同じような質感です。
後程知ったのですが、α9シリーズも同じようにロゴは金色だったんですね。今まで意識していなかったので全く気づきませんでした。
α1とα7Ⅲの外観比較
折角なので、手元にあるα7Ⅲと並べて写真を撮り、見比べてみることにしました。
正面比較
正面の比較です。先ほど述べた、α1のマウントのオレンジ色の縁取りが目立つというのがわかるでしょうか。
まずα7Ⅲを拡大して見てみます。
このようにα7Ⅲは、側面と前面の一部までしかオレンジ色で塗られていません。
これはレンズを付けてしまうとシルバーの部分が細くなりほとんど目立たなくなるので、今回意識して初めて気づきました。
レンズではなくキャップを付けるのも、購入以来初のことでしたので尚更気づきません(笑)
続いてα1です。
前面もしっかりと塗装されていることがわかりますね。
真正面から見ると、より隙間なくオレンジ色になっていることがわかるかと思います。
発表当初から、なんかオレンジ目立つなと思っていたことが、気のせいではなかったことが判明してスッキリしました。
上部比較
続いて上から見た写真です。
α7Ⅲよりα1の方がグリップが大きくなっており、またボディ全体の厚さも若干増しているはずなのですが、こうして並べてみると、ぱっと見の大きさの差は僅かにしか感じないなと思いました。
しかし、実際に持ってみるとグリップは見た目以上に大きくなったと感じられ、非常に保持しやすくなっています。
本体重量(バッテリー・カード無し)は、
- α1 :652g
- α7Ⅲ:565g
とα1の方が90g弱重たくなっているのですが、グリップのおかげか、体感重量は変わらないか、むしろα1の方が軽く感じる気さえしました。
更にグリップ部を向かい合わせて撮った写真がこちら。
こうして比べて見ると、α1のグリップの方が少し大きいということが見て取れますかね。
その他には、α1はメニューダイヤルや露出ダイヤル等にロックボタンが付いていますが、これは一長一短かなと思います。
メニューダイヤルと左肩のドライブダイヤルはボタンを押しながらじゃないと回せないので、これは煩わしいと思う場面も多かったです。
逆に露出補正ダイヤルは、ボタンを押すごとにロックと解除が切り替わるので、これは有難いなと思っています。α7Ⅲではいつの間にか露出補正ダイヤルが大きく変わってしまっていることが多々ありました。
α1とα9シリーズのみに搭載されている左肩のドライブダイヤルですが、このダイヤルがある為に、任意のボタンにドライブモードを割り当てて変更することができません。
※正確にはドライブモードの一部(セルフタイマーの秒数やブラケット撮影の設定等)のみボタン等から変更できます。
個人的にはドライブモードは割り当てたボタンで変更する方が楽だったなと思いました。
α7Ⅲで割り当てたボタンから変更する場合は、「連写・セルフタイマー・ブラケット」といったモードを変更しつつ、同一のメニュー内の横階層から「秒数・枚数」等の設定も同時に変えることができました。
しかし、α1の場合は、まずダイヤルでモードを変更し、その後割り当てたボタンから「秒数・枚数」等の設定を変えるというようにツーアクション必要になります。
ただし、悪いことばかりではありません。左肩にダイヤルが存在するおかげで、カスタムボタンに別の機能を割り当てられます。
なのでこれも好みの問題かなと思います。
背面比較
続いて背面の写真です。
基本的なボタンの配置は同じですが、圧倒的にα1の録画ボタンが押しやすくなっています。
録画ボタンもカスタムボタン設定ができますので、かなり使い道がありそうな予感がしています。
更にAF-ONボタンも大きく押しやすくなっています。
見た目以外でも触ってみると結構違いがあり、
- 各ボタンのクリック感
- ジョイスティックの動かしやすさ、滑りづらさ
- ダイヤルを回した感触
- コントロールホイールの誤作動のしづらさ
これら全てが大きく改善されています。
ただこの辺はα7RⅣの頃から変わっていることなので、それ以降の機種を所有している方からしたら感動はないかもしれませんが、α7Ⅲから乗り換えた私にとっては非常に大きな変更点です。
一応背面の拡大写真も載せておきます。まずα7Ⅲです。
これがこのように進化しています。
コントロールホイールなんかは拡大して見てもほとんど違いがわかりませんが、使用感は大きく改善されています。
元々α7Ⅲのコントロールホイールは誤作動(誤って触れて勝手に回転・勝手に押してしまう)が多すぎたので、非常に差を感じやすいです。
側面(カードスロット比較)
最後に側面の比較です。
カードスロットカバーの開け方異なります。
α7Ⅲはレバーを動かすだけでパかッと開きますが、α1は写真の矢印のとおり、レバーを動かしたまま左にスライドさせると開きます。
一番初めに開ける時は結構戸惑いました。
カバーを開けた写真がこちら。
α1は上からスロット1・スロット2の順になっているのに対し、α7Ⅲは逆になっています。
二台を同時に使うと混乱しそうですね。
比較は以上です。
初撮り作例(野鳥)・AF所感
数枚だけですが、発売日に撮ってきた写真を紹介したいと思います。
撮影に使用したレンズは全て、SONYの"SEL100400GM"と1.4倍テレコン"SEL14TC"の組み合わせです。
10mも離れていないくらいの距離で撮ったヒヨドリです。桜に夢中なので近距離で撮れます。
web上でどこまで伝わるかわかりませんが、羽毛の解像感が凄いです。2400万画素のα7Ⅲではほぼ撮ることのできなかった写真です。
トリミングした写真がこちら。
このような解像感・立体感を求めてα1を購入したようなものなので、この時点で買ってよかったなと思えました(笑)
そしてトリミング後でも1,800万画素以上残っていますからね。高画素機最高です。
当然鳥瞳AFはONにしていましたが、この写真では反応せず、首元あたりにピントが来ているかと思います。
瞳AFが全く反応しないわけではなく、鳥の顔の向きによって忙しなく瞳を捉えて外れてを繰り返していました。
AF設定は、最初はAF-CのトラッキングAF(スポットS)で試していました。
初めてのリアルタイムトラッキングで勝手が掴めていなかったものの、木の枝の隙間にしっかりと鳥が出ていれば、鳥を捉えて追尾してくれることを確認できました。
2枚目がこちら。これもピントは瞳ではなく嘴の根本や眉間あたりに合っています。
忙しなく動き回り、こちらに顔を向けたのは一瞬でしたがα1の連写力が勝りました。
とは言ってもロスレス圧縮の20連写で撮っていたのでα9でも撮れます(笑)
桜の花びらを咥えた瞬間です。
撮影中、ファインダー越しでも何をしているのかはっきりと見えていました。
今までの経験上、α7Ⅲのファインダーだと口元で何かしているな、というくらいしか状況が掴めなかったと思いますので、ファインダー性能が大幅に上がったことをこの時に強く実感しました。
それまでは、あまりにもファインダーが自然に綺麗に見えすぎて感動することもを忘れていました(笑)
肉眼で見た景色と違和感が無さすぎて、意識しないと逆に凄さに気づけなかったです。
最後はメジロの写真です。
このように枝が被っている状況だと、スポットSでもトラッキング対象が枝になってしまうことが多々ありました。
枝の隙間にポイントを合わせても枝に吸い込まれてポイントがずれる感じです。
なので、この時点で一旦トラッキングは諦めて、通常のAF-CのスポットSで自分で目元にポイントを持っていきました。
今までのα7Ⅲでの撮り方と一緒ですね。
この撮り方でも瞳を認識すれば瞳AFに自動で切り替わりますので、枝が入り組んでいるところではトラッキングは使わない方が確立高そうだなと、この日使った限りではそう思いました。
今後もう少し色々と検証していきたいと思います。
とりあえず言えるのは、決して思考停止して完全にカメラ任せでミスなく撮れる、という本当に魔法のようなカメラというわけではないなということでした。
まあα7Ⅲでずっと撮ってきた自分からしたら、それでも十分な性能です。
AF速度はメチャクチャ速いですし、今思い返すとテレコン付けてこの速さはかなりのものだったなとα1の凄さに気づきました。
恐らく100400GMにテレコンを付けたα1の方が、100400GMだけのα7Ⅲより速かったんじゃないかなと思いますね。
特にピントが大きく外れて前後に迷ってしまい、なかなか帰ってこないというようなことが皆無だったように記憶しています。
まあ、まだ検証時間が僅かしかないので断言はできませんが、期待通りの素晴らしい性能のカメラだと思いました。
気付いた点
使って見て気づいた細かな点を軽く述べたいと思います。
RAWの種類の記号の見分け方
α1では以下の三種類のRAW形式を選択して保存ができます。
- RAW(非圧縮)
- ロスレス圧縮
- 圧縮RAW
このうち、秒間30連写ができるのは圧縮RAWだけですので、私の場合は状況に応じてRAWの種類を頻繁に変更することがありそうだなと感じています。
そのために現在の保存形式がどうなっているかを素早く把握できるようにしておくことが重要かなと思っています。
ということで、各RAWに設定時の画面を撮りました。
画面のRAWと書いてある部分を見ると、RAWの形式によって画面に表示されるマークが微妙に異なっています。
満杯の状態⇒肉抜きされた状態⇒更に軽くなった状態 って感じの記号ですかね。
記号からもロスレスは可逆圧縮、圧縮は非可逆圧縮ってことが何となく読み取れる気もします。
ちなみに、画面の撮影可能枚数がRAWの形式に寄ってかなり変化していることもわかるかと思います。
ロスレス圧縮設定時にダイヤルをHi+(最高速連写)にするとどうなる
前述のとおり、秒間30コマの連写は圧縮RAWでしかできません。
もし、ロスレス圧縮RAWや非圧縮RAWに設定している時に「連写Hi+」にダイヤルを合わせた場合、
- 自動で圧縮RAW設定になって30連写できるのか
- RAW形式は変更されず、その形式の最高速連写になるのか
上記のどちらになるのか気になっていましたので、確認してみました。
結果は2でした。
個人的には、普段はロスレス圧縮で20連写、非常用に30連写という使い方をしたかったので、ダイヤルをHi+にするだけで30連写となる1が理想的だったので少し残念です。
とりあえずファンクションメニューに画像ファイル形式を割り当てて、素早く変更できるように対処しておこうかと考えています。
瞳AFの認識対象設定はボタンへの割り当て方によって動作が変わる
α7Ⅲと異なる点でもあるのですが、α1では「顔/瞳認識対象」をカスタムボタンに割り当てるか、ファンクションメニューに割り当てるかで挙動が変わることに気づきました。
まず、ファンクションメニューに割り当てた場合の画面です。
このような画面になります。
α7Ⅲではカスタムボタンに割り当ててもこれと同じ表示になります(α7Ⅲは鳥AFが無いので、人か動物かの二択のみ)。
これが、α1でカスタムボタンに割り当てると以下の画面になります。
このように、ボタンを押すごとに先ほどの対象選択画面がでることなく「人物」⇒「動物」⇒「鳥」と認識対象が変わっていきます。
ファンクションメニューに割り当てた場合と比べてワンアクション減るのです(ファンクションを開くことも含めると実質ツーアクション減!)。
私の場合は、元々α7Ⅲの時からコントロールホイールの真ん中ボタンに「顔/瞳検出対象」を割り当てていたので、更に素早く対象を変更できるようになったこの挙動は非常に有難い改善だと思いました。
ただし、知らない間にボタンを押してしまい、無意識に対象を変更してしまうということも懸念されるなとも思いました。
こまめに現在の対象を確認しておく習慣をつけておこうと思っています。
「SONY RAW Driver」は使えない
これは結構ショックでした。
2020年3月に配布終了になってしまった、SONYが出していた「SONY RAW Driver」という無料のPC用ソフトがありまして、これがあると通常の画像ファイルの様に、PCのフォルダ上でRAWデータをプレビュー表示(サムネイル表示)することができていたのですが、α1のRAWデータはプレビュー表示されないことが判明しました。
最上段がα1のRAWデータ、それ以降がα7ⅢのRAWデータです。
α1だけプレビュー表示されていないことがわかりますね。
パッと見でどんな画像だったか見極められるこのソフトは最高に重宝していたので、昨日初めてRAWファイルをPCに取り込んで愕然としました。
※もしかしたら2020年3月の配布終了後に発売されたカメラのRAWデータは全てプレビュー表示できないのかもしれませんね。
どうしてもこの便利さは手放し難いので、代替ソフトが無いか現在調べている途中です。
終わりに
α1初使用後のレビューは以上となります。いかがでしたでしょうか。
まだ半日も使っていませんが、それでもいくつか気づいた点があったので取り急ぎ記述してみました。
少しでも参考になることがあれば幸いです。
また暫く使い込んでみて、評価が定まってきたら改めて感想を述べていきたいと思います。
※最新のレビューページはこちら。
※その後一週間ほど使用して、フリーズ等の不具合が発生しましたので記載しました。
※主にAF性能やノイズ間についての所感はこちら。
※秒間30コマで連写した写真の再生画面をGIF化してみました!
※再生画面のカスタム設定紹介はこちら。
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