以前、下のページでSONYの超広角Gレンズ"SELP1635G(FE PZ 16-35mm F4 G)"を購入した話をしたかと思います。
その際にも、既にメインの超広角ズームレンズとして"SEL1224GM(FE 12-24mm F2.8 GM)"を所有している自分としては、SELP1635Gは基本的に動画用として使い、写真用としてはあまり考えていないと述べていたかと思います。
購入から暫くたって、何度か写真でも使用してみて感じた、GMレンズとの大きな違い、そして、何故自分が今までSEL1224GMを購入するまで、超広角レンズだけは様々なレンズを買って売ってと繰り返してなかなか定着しなかったのかについて改めて気づけた気がするので語りたいと思います。
結論から言うと、歪曲収差の過度なデジタル補正に対する被写体の変形っぷりが自分にとっては心地悪さを感じていたんだなというものです。
写真を比較しながら説明していきたいと思います。
自身の超広角レンズ変遷
先に自分が所有していた超広角レンズの移り変わりを軽く説明しておこうと思います。(一応24mmまで含めておきます)
AF24mm F2.8 FE (SAMYANG)(売却済み)17-28mm F/2.8 Di III RXD(A046)(TAMRON)(売却済み)Batis 2.8/18 (Carl Zeiss)(売却済み)- SEL24F14GM (SONY)(現存)
- SEL1224GM(SONY)(現存)
- SELP1635G(SONY)(現存)
ざっとこんな感じです。それぞれ作例やレビューページあるかと思うので気になる物があったら見てみてください。
最初のサムヤンは、自分が最初に所有したソニーツァイスの"SEL55F18Z"と比べてコントラストが低く、色乗りも悪くて撮ってて楽しくないという理由で冷めてしまい…(詳細は下のリンク先で語ってるはずです)
次のタムロンも色合いがサムヤンとあまり変わりなく、画質は気に入ってないと述べていたかと記憶しています。
そして、上のページでは特に触れていなかったのですが、当時からなんとなく海を撮った時の水平線のしっくりこなさ具合なんかに違和感を感じていたことを強く覚えていまして、それが今回のSELP1635Gでも改めて同じ思いをして再認識できたって感じです。
要は小型軽量化を頑張ってした超広角ズームレンズだと同じような印象を受けやすそうってことですかね。
その後のBatisは写りは気に入ってましたが、やっぱり超広角はズームレンズの方が便利だなということを再認識したけっか手放しました。
こんな流れで現在に至っています。
実際の写真で見比べてみる
やっと本題です。
毎月1回、愛犬が体重計に乗っているところを撮影することが習慣になっていまして、その写真を見比べることでGMレンズとGレンズの違いに気づくことができました。
16mm~18mmで比較
まずはGMから見ましょうか。

これがSEL1224GMの焦点距離18mmで撮影したものです。
RAWで撮影し、Lightroomのレンズ補正を「オン」にして書き出しています。
そして、レンズ補正を「オフ」にしたものがこちら。

周辺減光具合が変わって暗く見える以外にあまり大きな変化が無いかと思います。
わかりづらいと思うので並べて載せておきますね。
左が補正オン、右が補正オフです。


※画像が上手く表示されていない場合、画面中央のスライダーを触っていただければ画像が表示されてくるかと思います。
当然、超広角な焦点距離で愛犬の顔が端っこのほうにあるので、パースが効いてマズル(鼻)は実際より伸びて長く見えるように写ってはいるのですが、いやーな違和感というのは個人的に感じにくいかと思っています。
もう一枚同じパターンを貼っておきます。

焦点距離も同じです。これも配置的に耳が伸びて見えるかと思います。
それでも許容範囲である、あくまで自然な遠近感を感じるなかでの伸び具合であるかなと。
レンズ補正オフがこちら。

違いほとんどわからないですよね?
比較できるようにオンとオフ重ねたものを載せておきます。
左が補正オン、右が補正オフです。


こうやって比べると僅かな周辺減光と、若干の歪みが改善されていることがわかるかと思います。
この程度の違いなので、周辺減光はむしろ味になるし、完全に歪みが取り除かれているよりも自然な印象を受けることも多いので、自分はSEL1224GMで撮った写真はレンズ補正をオフのまま現像することが多いです(他のGMレンズでもその傾向が強いです)。
続いてSELP1635Gで撮ったものを見ていきましょう。

撮った角度もあるのでしょうが、すでに壁側の傾き具合とか、全体的にグニャグニャ、ガタガタな印象を受けませんかね?
そして補正オフがこちら。

体重計の手前側の湾曲具合とかやばくないですか?(笑)
これを強引にデジタル補正したら、そりゃどこかしら歪に感じてしまうよなあと思いました。
そういえば、このデジタル補正の差が激しすぎて、発売当初はSELP1635Gの購入を見送ったことがあると購入報告時にも述べていた気がしますが、やっぱりその感覚は間違っていませんでしたね。
重ねて見ましょう。
左が補正オン、右がオフです。


こうやって補正前後を見比べた時に、どうしても自分が許容できないのが、愛犬のマズルの伸びっぷりなんですよね。
表情だけを見ると補正オフの方は全体が歪んでいる分、被写体への違和感はあまり感じません。その分、直線的な物を見た時の違和感が凄いですが。
なので、個人的には補正オフにして、割り切って魚眼カメラ的な使い方をするのが、鼻でかショットも撮りやすいと思いますし、このレンズでの許容できる撮り方なのかなと。
ただ、このように補正をオンにすればカメレオン感を強調した写真にもなります(笑)

舌が必要以上に伸びて凄いことになっています(笑)
補正オンオフの比較についても、もう一例貼っておきますね。
同じくSELPG1635Gの16mmで撮影したもので、左が補正オン、右がオフです。


21mm前後で比較
先ほどのはGレンズが16mmと広角端での撮影例で、一番歪みが生じやすい条件だったかと思いますので、今度は21mm近くで撮影したもの同士を見てみましょうか。
SEL1224GMで、焦点距離21mmです。
左が補正オン、右がオフは変わらずです。


続いてSELP1635Gの焦点距離21.5mmでの写真(正確に合わせられませんでした)。2例掲載しておきます。




21mmくらいまでくれば16mmよりは遥かにマシになっていますね!
ここまでくると愛犬のマズルは補正のオンオフでもあまり気にならず、どちらかというと体重計の湾曲っぷりの方が目に付くかなといった感じでしょうか。
今回GMの12mmでの補正オンオフの比較例を用意していませんが、GMだと12mmでもそんなにオンオフで大きく違和感を感じる場面はなかったように記憶しています。
最後はレンズを変えて、単焦点のSEL24F14GMとSELP1635Gの24mm域の例を見ていきましょう。
まずは24GM


続いてSELP1635Gでの焦点距離24mm。


24mmだとかなり体重計の歪みも元から軽減されていますかね。
ただ、それでも個人的には補正オンオフを見比べ続けていると感じる違和感(特に周辺の)がGMの時よりも多く感じるんですよね。
何故なのかは現状うまく言葉では表現できないのですが、いまページを作成しながら何度も画像を見返して思ったのはGレンズは樽型の湾曲を強引に伸ばしてる感を強く感じる気がするというかなんというか…
終わりに
比較は以上です、
伝えたいことは伝わったでしょうか?(笑)
よく、小型軽量を謳った広角ズームレンズのレビューで、歪曲補正はデジタル補正で後処理できるから問題無しと言っているのを見かける気がするのですが、必ずしもそうではないよなあと改めて思ったということが今回一番伝えたかってことです。
補正具合によっては一番大切なメインの被写体に違和感を覚えてしまうよねっていう。
そして逆に、12~24mmの焦点距離で開放F値2.8という仕様で重さ約847gにまで軽量化頑張っているのにも関わらず、これだけ歪みも少ないSEL1224GMは凄まじいレンズだなと思いましたね。
流石GMレンズの中でもかなり高価な方なだけあるなと。
問題は、あと1年くらいで自分のSEL1224GMのワイド保証が切れるということです。
実は、最近別のレンズでワイド保証入っててよかったと思う実体験を遂にしてしまいまして。
その話はまた次回に。
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