SONYのEマウント単焦点レンズ、"SEL50F14Z[Planar T* FE 50mm F1.4 ZA]"を購入して2ヶ月程使用しましたので、レビューしていきたいと思います。
私は自身初めての一眼カメラとしてα7Ⅲを購入した際、初めてのレンズとして似たような焦点距離・スペックの"SEL55F18Z"を購入しています。
それでもこのレンズのネット等での作例から感じた描写力に惚れ込み、似たようなレンズを持ちながらも本レンズを購入するに至りました。
はたして私の期待に応えてくれたレンズなのか、作例と共に振り返っていきたいと思います。
レンズの外観・スペック
外観
まずは外観写真から。

製品名のとおり、焦点距離50mm、F値1.4のCarl Zeissブランドの大口径単焦点レンズです。
見た目が高級感溢れていて非常に好みです。
ZEISSのレンズは金属製が基本で、既所有のSEL55F18Z(焦点距離55mm、F値1.8)も同じ素材、仕上げなのですが、大きさが全然違うので迫力が違います。
大きいレンズだからこそ、この質感の良さがより際立つような感じがしました。

二台並べるとこんな感じです。
でかいですが、でかい分55mmの方には無いAFとMFの切り替えスイッチや、絞り変更リングが付いていますので使い勝手は良いです。
重さは、本レンズが約778g、55mmの方が約281gとのことです。
55mmと比べるとかなりの重量増となりますが、愛用しているレンズ"SEL135F18GM"(約950g)に鍛えられて私にとっては何も問題ありません(笑)
いつもどおりPeak Designの”Capture”を使い、腰にカメラをぶら下げた状態で犬の散歩等をしながら撮影できています。

135GMのおかげで、もう私のレンズ選択基準は完全に"描写>重さ"になってしまいました(限度はありますが)。
以前から不思議とSNS等で写真をザーッと見ていても、ふと気になって手が止まる写真が、このレンズで撮られた写真だったということが多かったのでずっと気になっていた存在のレンズでした。
なので、55mmの描写にも大変満足はしていますが、どうしてもこのレンズでも撮ってみたくなり購入してしまいました。
※ちなみに、先ほどから名前の出ている135GMで撮った作例記事はこちらです。こちらも大変気に入っているレンズです。
AF速度についての所感
購入時、色々とネットでレビューを漁っているて気になったのが、AFが遅めという評価でした。
実際に使って見ての印象は、
55mmよりは、ピントが合うのが遅いかなという印象です(AF-Cモード使用時)。
犬が立ち止まって顔をキョロキョロさせている時に、今までだったらちゃんと顔にピントを合わせられていた場面で、55mmに比べて合焦する(カメラのピントマークが緑色になる)のがコンマ数秒だけ遅く、シャッターを押せずに撮り逃してしまうということが何度かありました。
また、動物瞳AFについても瞳を認識するスピードや範囲(斜め顔の時等)については、55mmの方が優秀に感じました。
なので、慣れるまではいつもピントが合っているはずの場面でシャッターチャンスを逃すこともあり、若干フラストレーションが溜まる時もありました。
しかし、55mmの方がAFが全面的に優秀だとは言い切れません。
それは、ピントの正確性、追従性に関してはこちらの50mmのレンズの方が優秀だと感じたからです。
55mmのレンズは、55mmのレビュー記事でも述べましたが、撮影時ピントが合っているように見えていても、撮影後に画面を拡大して見てみると若干ピントが合っていない、ということが多々ありました。
動いている被写体についても、何度かシャッターを押して撮り続けた物を後から確認してみると、完璧にピントが合っていた写真は僅かだけということが多かった印象でした。
それが50mmでは正確性が大分増しているように感じました。画面を拡大しても、しっかりとピントが合っていることが多い印象です。撮影後に確認してがっかりということが減りました。
一度合焦したら、そこからの食いつきも55mmより良好な印象です。55mmのピントの甘さが改善されているので、カメラ画面上での撮影時の見かけの合焦速度、範囲が悪くなるのも納得だなと思っています。
以上のように、55mmのAF性能と比較した場合、シャッターチャンスを逃さない速さや範囲を取るのか、それともより正確な撮影結果を求めるかという、撮影時のがっかりを減らすか、撮影後のがっかりを減らすかのどちらを取るかによって一長一短だなと思いました。
AF性能については以上のような感想です。55mmとの比較ばかりですが、55mm自体がかなりAF速いほうだと思いますので、レンズ全体で見れば50mmも十分速い方なのではないかなとは思います。
作例
それでは撮った写真を紹介していきます。
使用カメラは全てSONYのα7Ⅲで、LightroomでRAW現像をしております。

まず絞り開放の写真です。顔が微ぶれかピントずれているかしているのでちょっとモヤっと見えるかと思いますがご容赦ください。
私はF値1.4のレンズは今まで使ったことが無くて、F1.8までが最小だったのですが、F1.4とF1.8では暗い室内の場面で結構な明るさの差があるなと感じました。
ちょこまかと動き回る犬や幼い子供を撮る時等、シャッタースピードを速くしたい場面であまりISO感度を上げない設定で撮ることができるようになり、予想以上に室内で撮りやすくなったなと思いました。
ちなみにLightroomのレンズプロファイルを適用しない場合は、F値開放で撮ると周辺減光が結構大きいです。

これはこれで良い味だと思います。

被写体の立体感が凄いなと思った一枚です。Zeissの言う「3Dポップ」というやつですね。浮き出て見えています。

別途50mmと55mmの比較記事も書こうかなと思っているのですが、50mmの方が描写が優しい(線が細い、柔らかい)印象です。
55mmでは犬の毛並みが硬そうでゴワゴワした印象に写ることが多く、現像時に明瞭度を大きく下げることも多かったのですが、それが軽減されている印象です。
動物や人物などを柔らかい印象にしたい時により向いているレンズと思っています。

透明な物や艶のある物を凄く綺麗に描写してくれるレンズだと思います。
ひんやりとした空気感まで伝えてくれるような気がします。

艶のある革靴をこのレンズで撮ってみたいと以前から思っていたので、お気に入りのJ.M. WESTONの革靴を撮ってみました。
特に左足の内側側面の艶、瑞々しさをしっかり描写してくれたのではないかなと思います。
この艶感と柔らかい描写が相まって、料理等も凄く美味しそうに見える気がしています。


どちらも自然光が入る窓際で撮りました。
個人的には凄く美味しそうに見えますがいかがでしょうか。
※このレンズ最短撮影距離は45cm(最大撮影倍率0.15倍)とあまり近寄って被写体を大きく写して撮ることはできません。
ケーキの一枚目はトリミング無しですが、二枚目の方はトリミングしています。

こちらもかなりトリミングしてマクロレンズのような表現をしてみました。
ピント合焦部の解像感の高さが伝わるのではないでしょうか。
解像感は55mmより更に上のように感じます。
135GMを使っている時に、カメラ内の再生モードで撮った写真の合焦部を拡大すると、解像しすぎて鳥肌立ちそうになることがちょくちょくあるのですが、このレンズでも同じようなことが何度も起こっています。

天気が非常に良く、空の色がとても濃く感じたので、とりあえずその場を撮ってみただけの一枚です。
まるでPLフィルターを付けているかのような、半端じゃない色のりだと思います。
このようにふと目に付いて綺麗な色だなと思った被写体を、自分の期待以上に綺麗に写してくれることが、私がツァイスレンズを選ぶ一番の理由なのだろうなあと思いました。
本当にPLフィルター要らずですね。
また、影の部分も非常に階調豊かに写してくれていると思います。これもツァイスが好きな所以です。
これが立体感や、室内でもなんとなく良い雰囲気に描写してくれることに繋がっているのかなと思っています。

こちらも犬の散歩中にふと光の塩梅が気に入って撮ってみた一枚です。
西日で透け気味の緑の描写と、手前の影の濃さ等、このレンズの好きな部分が良く出ているような気がしています。
この場所、被写体自体はそもそも非常に平凡な所ですので、これを安いレンズ等で撮ると、色味も影も平坦な本当に何てことない写真になると思います。
そうなってしまうと、私はカメラを持ちだすのが楽しみでなくなってしまい、身近な場面等では全然写真を撮らなくなってしまうんですよね。
このようなレンズだからこそ、何でも撮るのが楽しくなり、どんどんカメラを持ちだすという好循環になるのだなと改めて思いました。
やはり私のレンズ選択の要素には描写力がかなりのウェイトを占めているなと実感できました。

季節の移ろいを写し取ったつもりの写真です。花の位置などには一切手を加えていない自然の状態を撮りました。
光と影の境目にある真ん中の散ったツツジとその他のツツジの配置、影の形が気に入っています。
前後のボケの雰囲気もこの写真で伝わるのではないでしょうか。

画角さえちょうど良ければ、風景写真にも積極的に使いたくなります。
オールラウンドに使える理想的な標準レンズだと思います。

ここから数枚夜景の写真をお見せしていきます。
α7Ⅲの手振れ補正も相まって、何とか手持ちで撮れています。
本当はF値低いと夜景も楽に撮れますということを言おうと思っていたのですが、データを見返したら若干絞っていました(笑)

これは絞り開放で撮っていました。ISO200という低感度で撮れていますね。
光と影のある場所でさえあれば、何でも雰囲気良く写してくれる気がします。

これも手持ちで撮りました。なんでISO50で撮っているのか謎です(笑)
三脚使ってしっかりと撮った写真が無くて恐縮ですが、逆に言うと大口径レンズであれば夜景撮影もカジュアルに手持ちで楽しめますということですね。

最後は紫陽花と犬の写真です。
この写真は瞳ではなくて瞼あたりにピントが来ているのですが、それが逆にふわっとした雰囲気を醸し出していて有りかなと思っています。
紫陽花の葉に注いでる柔らかい太陽光がお気に入りです。

チワワバージョン。こちらは横位置だった写真を縦構図にトリミングしています。
チワワの方は動きが素早いのでシャッタースピード上げ気味で撮りました。
やはり、ボケ感と柔らかい描写が非常に犬や花を撮るのに適しているなと思います。
それでいて合焦部の解像感は抜群で本当に私好みのレンズです。
感想とまとめ
いかがでしたでしょうか。
まだ購入して日が浅く、更に昨今の情勢であまり外出ができておらず、身近な物を撮った作例ばかりでしたが、それでも非常にこのレンズを満喫しているのが伝わりましたでしょうか。
とにかく何を撮っても楽しいレンズです!
また、今まではF値は1.8もあれば十分と思っていましたが、F値1.4になるだけで、室内や夜間の撮影が格段に楽になり、大口径の有り難さも感じました。
そして何と言っても圧倒的な描写力ですね。
解像感だけで無く、それ+αの空気感や雰囲気の描写が最高の魅力だと思います。
最近は解像感が素晴らしいレンズは数多くありますが、+αの部分についてはなかなか他のレンズでは得られない要素だと思います。
描写に関しては、私が所有しているレンズの中では135GMと同じくらい気に入っています。
画角やF値の使い勝手から、こちらの方がより万能的に使えますし、出番が増えそうです。
買って現状でも大満足ですし、これからこのレンズで色々な場所を撮りに行くのが楽しみでしかたありません!
購入までにかなり迷いましたが、今では間違いなく買って良かったレンズだと思っております。
ちなみにコスパだけで言えば、何度も比較対象にあげている55mmの方が、軽く、値段も半額くらいで、それでいて価格の割に必要十分な描写力を兼ね備えているので圧倒的に上だと思います。
55mmは本当にバランスの取れた素晴らしいレンズだと思います。実際私が友人等にレンズを勧める際には55mmの方をお勧めしています。
ですが、私と同じように価格や重さ度外視で、このレンズが写し出す雰囲気など、言葉では上手く表現しづらい何かの部分が魅力に感じ気になっている方には、迷わずこちらのレンズをお勧めします。
その何かを感じる感性というのが一番重要な部分だと私は思っていますし、決して気のせいではないと思います。
このレンズには間違いなく何かを写し取る力が宿っていると思いますので、購入して後悔することはないんじゃないかなと思いますよ!
※SEL50F14ZとSEL55F18Zの比較記事も作成しました。よろしければこちらもご覧ください。
コメント