SONYのフルサイズミラーレス一眼カメラα7Ⅲと、同じくSONYのEマウント超望遠ズームレンズSEL100400GM(FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS)の組み合わせによる作例と感想等レビューをしていきたいと思います。
画質の良さ、AFの速さ等非常に評判の良いレンズです。
幼少の頃から動物好きだった私は、一眼カメラを買うにあたって望遠レンズを買うことも視野に入れており、購入するならこのレンズかなとずっと思っていました。
それでも値段が非常に高額でしたのでなかなか手を出せずにいましたが、一度レンタルをして旅行中に使用してみたりしたうえで遂に購入するに至りました。
購入してから撮った写真と、レンタル使用時に撮った写真も併せて作例ご紹介していきたいと思います。
レンズの外観等
外観の写真です。取り外し可能な三脚座を含めず、本体のみの重さで1,395gです。
私にとっては初めての望遠ズームレンズなので、今までで最大・最重量のレンズですが、他社の同じようなスペックのレンズ群の中では非常に小型軽量な部類みたいです。
実際、全然問題無く手持ちで撮影できます。これ以上重くなると、ちょくちょく手を休めないと撮影を続けられなくなってしまうギリギリの重さのように感じます。
そして写真右側の方に4種類のスイッチが見えます。
一番下の手振れ補正モード切替だけはまだ効果的に使えていませんが、それ以外のスイッチは非常に重宝しています。
特に上から二番目のフォーカスレンジリミッター(フォーカス範囲の選択スイッチ)はよく使っております。
柵などがあって、その奥の動物を撮りたい時にスイッチを右にしておくと、手前の柵にピントが合うことが無くなりますので便利です。
レンズフードを付けてカメラに装着し、更にミニ三脚に取り付けた写真です。最早カメラ本体がおまけに見えるレンズの大きさですね。
私は純正の三脚座に不満がありましたので、RRS(Really Right Stuff)の"LCF-101"という商品を購入して純正品と取り換えております。商品についての詳細は下記記事に記載しております。
また、飛行中の野鳥を撮る際に、鳥を画面内に収めることに非常に苦戦した経験から、最近は照準器(ホビーズワールドというお店の"Swift Ⅱ"という機種です)を購入し、それをカメラに取付けて撮影しています。
こんな感じで撮影しております。これによりフレーミングが格段に楽になりました。
※照準器についてのレビュー記事も作成しました。下記リンクからどうぞ。
なので照準器記事との差別化のため、本記事での作例は全て照準器を使用していない写真を選びました。
また、1.4倍テレコンを使用したレビュー記事も別途作成しております。
作例
※写真は全てRAWで撮り、Adobe Lightroomで現像しております。
冬の北海道でオオワシとオジロワシをどうしても撮りたくて、本レンズをレンタルして羅臼に行きました。
レンズを使い慣れていない状態でも、何とか魚を捕らえたオオワシの姿を撮れてホッとしたのを覚えております。これだけでもレンタルした甲斐があったと思っています。
簡単にこのような写真が撮れたのは、完全にカメラとレンズの性能の素晴らしさのおかげですね。
連写HI(秒10コマ)で撮っていましたが、この写真の前後数コマの写真は全てオオワシにしっかりピントが合ってくれていました。
先ほどの写真の後のコマです。トリミングしてオオワシに寄ってみました。
トリミングして見てもバッチリ解像しています。本レンズの解像感の素晴らしさはこの写真だけでも十分伝わるのではないでしょうか。
撮って拡大して見るのが毎回楽しみでしょうがないです。
次はオジロワシの写真です。元々はオオワシ好きでしたが、オジロワシもかなりかっこいいです。
細かな羽毛のグラデーションや脚付近の柔らかそうな羽毛の質感等まで描写してくれているように見えます。
少し遠目で飛んでいるところの写真です
オオワシが立体的に見え、ボケ具合も違和感なく美しいと思います。
カモメを大きく写した3枚です。いずれもトリミングはしていません。
web上では伝えきれませんが、写真を拡大するとかなり細かに描写されています。
流氷の起伏も美しかったので、それも写すべく絞って撮った一枚です。
400mmだとF14まで絞っても結構ボケますね。
本記事でのワシの作例は以上となります。
羅臼旅行の写真は別途撮影記としてもまとめておりますので、ご興味ある方は是非そちらもご覧ください。
続いて風景写真です。やっと望遠端以外の写真が出てきました。
羅臼の早朝、濃霧から段々と太陽が見え始めて明るくなってきた写真です。
柔らかな光の雰囲気や水面を舞う鳥等、その時の情景をしっかり写し取ってくれたと思います。
この日は本当に凄く幻想的で綺麗な朝でした。
先ほどから少し時間が経過した写真です。
空がどんどん黄色く、明るくなってきた景色です。
上二枚と同じ時間帯、同じ場所から北の方角をに目線を向けて撮りました。
海を隔てて知床連山が見えます。こちらも濃霧に包まれて幻想的な風景です。
空気感もしっかりと伝えてくれて、風景写真にもガンガン使っていきたいと思えるレンズです。
場所移動しまして野付半島の写真です。
羅臼のワシ以外は完全にノープランで、全て思いつきで行動していたのですがそれでも色々な写真を撮ることができました。北海道最高ですね!
エゾシカの横顔です。距離6~8mくらいだった気がします。
鹿には動物瞳AFもちょいちょい効いていたような気がしますが、記憶が定かではありません。すみません。
キツネにも出会えました。非常に癒される表情の一枚です。
尻尾が痛んでいる子だったので、あまり尻尾を写さないように撮っていました。
毛並みや雪の細かな粒も鮮明に解像しています。
北海道の道東では2泊3日だけで他にもエゾリスやシマエナガにも会えて写真を撮ることができました。
次はタンチョウやフクロウも撮りたいですし、必ずまた行こうと思ってます。
ちなみに北海道での撮影中は防寒&結露対策としてずっと下記のダウンカバーを被せながら手持ちで撮っていました。嵩張ったり、ファインダーが覗きづらくなったりと取り回しは悪くなりましたが、防寒対策としては手汗をかくこともあるくらい効果的でした。
近所のヒヨドリです。これもトリミング済みですが、更にトリミングすると・・・
非常に細かなところまで解像していますね!
舌も初めて見ました。もう何を撮っても楽しいです(笑)
日の入りの写真です。空のグラデーションが綺麗です。
購入してから400mmで空の一部を切り取ることが凄く楽しくなりました。
先ほどとは別の日に今度は広角側で撮りました。これは確か三脚使用して撮ったと思います。
雲が赤く染まっているところも綺麗だったので広角側を選んだと記憶してます。
5月のフラワームーンと呼ばれる満月です。
中途半端な焦点距離ですが、これくらいの大きさで写せるという目安にしてください。
お腹パンパンのカナヘビです。
全体の色味が地味だったのでモノクロにして質感重視としました。
現像時シャープ系のパラメータは明瞭度を+8にする以外にいじくっていませんが、ピントが合っている首や前腕、塀の質感などカリッカリに見えます。
イトトンボ。色が綺麗でした。艶感も美しく描写してくれているように見えます。
これは身体が細すぎてAFが全然合わず、MFで最短撮影距離(0.98m)で撮りました。
これはトリミングもしていますが、小さな物を大きく写せることもこのレンズの大きな魅力の一つだと思います。
個人的には寄れるレンズだと付けっぱなしにすることが増え、結果的に出番が増えることが多い気がします。
これが私が本レンズを購入し、比較対象となることの多い"SEL200600G"を選ばなかった大きなポイントの一つかもしれません。
最後は虫を食べようとしている瞬間のツバメの写真です。
実はこの時にツバメを画面内に収めることにかなり苦戦したことが、照準器を購入するに至った理由です。
私のすぐ目の前で、私の周りをしばらく数羽で周回してくれるという非常に恵まれた状況でも、この写真が精一杯でした。
400mmでは一瞬で画面から消えてしまい、とてもじゃないですが画面に収め続けることは不可能でしたので、途中で広角側に切り替えて撮りました。
これが悔しかったのと同時に、練習や慣れで簡単に捉えられるようになるものでもないなと思い知らされ、即照準器を購入することになりました。
おかげで今では非常に快適に飛行中の鳥を撮れています(と言っても撮れ高は決して高くはないですが)。
照準器のレビューでは飛びもの写真中心にご紹介していきたいと思っております。
感想
いかがでしたでしょうか。
解像感や飛行中のワシを捉えるAF性能等、魅力は多少なりとも伝わったのではないでしょうか。
カメラ本体がα7Ⅲでも十分に色々な被写体が撮れていますし、これをα9系にしたら更にAF性能が向上するでしょう。
まだこのレンズのスペックを引き出しきれていないと思いますし、正直9系に若干心が揺らいでおります(笑)
とはいえ、α7Ⅲでも割とゆっくりと飛ぶ大型のワシ等に関しては大体50~60%以上の確率でピントが合ってくれていた印象です。
私は明らかなピンボケ写真等はその日の内にカメラ内から消去してしまうのですが、2日撮って2日とも大体半数くらいを消去したように記憶しております。
AFの設定は"AF-C"の"ワイド"と"拡張フレキシブルスポットS"を2種類のボタンを押すことで使い分けるように設定しているのですが、一羽をメインに写す時は"ワイド"でピント合わせを完全にカメラ任せにして撮ることがほとんどでした。
そんな感じでも画面の端の方に居る時もしっかりとピントを合わせてくれるので、使い慣れていなかったレンズでもピント合わせに苦労することも無く、快適に撮影することができました。
描写についても私が所有している単焦点レンズと比較すると、若干色のりがあっさりしているとか、コントラストが弱めかなと思うときもありますが、本当に僅かな差で、RAW現像すると気にならないレベルです。全然文句ありません。
おそらく、私は他の望遠ズームレンズを使ったことがないので、このレンズが他と比べていかに凄いかを十分に理解できていない気がしています。
それくらいほぼ不満も無く凄く良いレンズだと思います。
一点だけ、今使っていて気になっている点は、本レンズはズームリングの固さをを調整できるのですが、それを一番固くしていても、フードを付けてレンズを下向きにして歩いていると、ズームが少しずつ伸びてきてしまう点です。
これは、私がPeakDesignのCaptureを使って、カメラを腰に固定させて歩いているので、歩く際の振動で余計伸びてきやすくなっているのだと思います。この機材重量でCaptureを腰に付けて運用している人は少なさそうですし、不満に思っているのは私だけかもしれません(笑)
サードパーティーからもいずれ超望遠ズームが出るかもしれませんが、このレンズを持っていたらまあ気持ちは揺るがないでしょう。
いずれテレコンバーターも購入するつもりですので、その際はまた作例含めてレビューしたいと思います。
※1.4倍テレコンのレビュー記事を作成しました。
※SONY純正のレンズは、保証も鑑みるとソニーストアでの購入がお勧めです。詳細は下記記事をご参照ください。
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